NIPT認定施設と認可外病院の違い。精度や費用等比較、受診できる医療機関一覧も

検査
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出生前診断比較まとめ。NIPTや絨毛羊水検査、コンバインドやクアトロテストの違いって?

2018年5月26日

 

新型出生前診断(NIPT)の説明についてまとめています。

先日コンバインド検査を受けたFMC東京クリニックではNIPTは行なっていませんが、

 

  • 精度が良く
  • 初期に受けられて
  • リスクがない

 

「とても良い検査」と高く評価していました。

費用は高額ですが、ノーリスクで染色体異常を調べるならNIPTが最適だと思います。

FMC東京でのカウンセリングでの説明と、学会等のHPの情報を勘案してまとめてみました。最後に認定施設の一覧も載せています。

 

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先にそれぞれのメリットデメリットを

認定施設
メリット デメリット
遺伝カウンセリングが充実 受診の条件が多い
陽性の場合、多くの施設が羊水検査無料 年齢制限がある (出産時35歳以上)
産婦人科医と臨床遺伝専門医が在籍している 予約は医師からの予約や紹介状が必要

 

無認可施設
メリット デメリット
条件や年齢制限はない 遺伝カウンセリングが十分とは言えない
認定よりも少しだけ安い 陽性の場合、羊水検査は別途料金がかかる
予約は自分でできて、医師の紹介状は不要 臨床遺伝専門医の在籍は不明

詳しく説明していきます。

 

そもそも新型出生前診断って何?

正式な名称は、無侵襲的出生前遺伝学的検査

絨毛・羊水検査と違い「侵襲」を伴わず、採血によって母体血を調べることで、

 

  • 21トリソミー(ダウン症)
  • 18トリソミー
  • 13トリソミー

 

について調べる検査です。

また、NIPTは日本医学会、日本産科婦人科学会の認定を受けている施設と、無認可の施設の2つがあります。

それぞれには違いがありますので、各項目で違いを記載しています。

 

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NIPTの精度(感度)はどれ位?

陰性か陽性で結果が判明します。

この精度はほぼ100%の絨毛・羊水検査と違い、確定診断ではありません

13・18・21トリソミー、この3つの染色体の数的異常を99%以上の確率で見つけられる高精度な検査ですが、その他の染色体疾患や遺伝子異常の検査はできないことに注意してください。

比較 認定施設 無認可施設
21トリソミー 99.10% 99.14%

精度については認定、無認可どちらも違いはありません。

ちなみに検体の検査は、認定施設が日本国内(またはアメリカ)で行うのに対して、無認可はイギリスの機関に送って検査しています。

 

検査可能な妊娠週数と条件は?

10週から20週の間に検査することが可能です。

まず認定施設で検査を受けるには、以下のどれかに該当する必要があります。

  1. 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者
  2. 母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者
  3. 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある者
  4. 高齢妊娠の者(分娩予定日に35歳以上)
  5. 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される者
    ※「母体血を用いた新しい出生前遺伝的検査に関する指針」のV-2項より

 

そして認定施設の多くは、医師からの予約や紹介状が必要となります。

一方、無認可は年齢制限などの条件もなく、自分で探して予約することが可能です

比較 認定施設 無認可施設
受診条件 35歳以上等、いくつかの条件がある 条件や制限はない
予約方法 医師からの予約や紹介状が必要 直接自分で探して予約可能

 

NIPTの学会認定要件について

ちなみに各施設が学会に認定されるためには、以下の要件を満たす必要があるようです。

FMC東京クリニックではNIPTを行なっていない理由を「分娩施設がないから」と言っていましたが、この要件を見る限りそのような記述はありません。

これはおそらく、「産婦人科医師と小児科医師を常勤させることを要する」という点を素人に端的にわかりやすく伝えるため、そう説明したんだと思いますね。

 

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料金/費用について

無認可が若干安く、概ね16〜21万円位です。

比較 認定施設 無認可施設
NIPT単体の料金 16〜21万円前後(税込) 19万円前後(税込)

施設によってばらつきがあるので、受ける際は事前に確認しましょう。

認定の方が少しだけ高いとのことでしたが、この価格はNIPT単体の料金であり、仮に陽性となって羊水検査をする場合には変わってきます。

認定施設の多くがNIPTでの陽性後の羊水検査を無料としているのに対して(そうでない施設もあります)、無認可は別途料金が発生します。

おおよそ羊水検査の費用は7〜15万円なので、陽性となった場合には認定と無認可でコストに大きな差が出ます。

比較 認定施設 無認可施設
NIPT単体の料金 16〜21万円前後(税込) 19万円前後(税込)
羊水検査 多くの施設が無料 有料  (7〜15万円)

 

結果判明までにかかる時間は?

どちらも最短で5〜7日程で、平均すると10〜12日前後で判明します。

ごく稀に(1%以下)、判定不能と結果が出ないケースもあるようです。

この検査自体、母体の血液中に10%程度の濃度で混ざっている胎盤から漏れ出てくる胎児由来のDNAを調べるもので、胎児由来のDNA濃度が低いと、ごく稀に判定不能や保留となる場合があるそうです。

その場合は、妊娠の経過と共に血中の胎児由来のDNA濃度が増えるので、日をおいて再度検査をするか、羊水検査を行うか選ぶことができるようです(認定施設の場合)。

 

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リスクはないのか?

リスクは採血(無侵襲)なのでありません。

ただ精度が100%ではないので、

 

  • 偽陰性
  • 偽陽性

 

が全くないとも言い切れません。

もちろんこの可能性は限りなく低いですが、どちらも0.1%の確率で出てしまうことがあると言われていますので、この点についてはある意味でリスクとも言えるのではないでしょうか。

 

再度:認定と無認可の違いやメリットデメリット

それぞれポイントを再度まとめると

認定施設
メリット デメリット
遺伝カウンセリングが充実 受診の条件が多い
陽性の場合、多くの施設が羊水検査無料 年齢制限がある (出産時35歳以上)
産婦人科医と臨床遺伝専門医が在籍している 予約は医師からの予約や紹介状が必要

 

無認可施設
メリット デメリット
条件や年齢制限はない 遺伝カウンセリングが十分とは言えない
認定よりも少しだけ安い 陽性の場合、羊水検査は別途料金がかかる
予約は自分でできて、医師の紹介状は不要 臨床遺伝専門医の在籍は不明

 

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まとめ

母体や胎児にリスクがないという点と、精度も99%以上ですし非常に良い検査だと思います。

難点を挙げるとすれば高額だということでしょうか。

FMC東京もこの検査は非常に良いと、行なっていないにも関わらず評価していたのが印象的でした。

今後は学会の方針も緩和され、認定施設数は増えていくだろうとのこと。

ただ学会は並行して、この検査を倫理的観点から積極的に妊婦へ知らせる必要はないとも方針を出しています。

NIPT、新型出生前診断

こういう背景や、受診条件の緩和を求める妊婦側のニーズの高まりとのギャップに対応するため、無認可が増えているとも言えるのかなぁ。

 

今回NIPTについてまとめると、

 

  • リスクを避けたい
  • 高い精度で知りたい
  • コストは許容できる

 

という方には良い検査だと思います。

 

現時点での認定施設一覧

2018年1月26日時点で国内のNIPT認定施設は90施設となっているようです。

以下に一覧を載せましたので、参考にしてください。今後も増えていくみたいですので最新の情報を知りたい場合には日本医学会のHPで随時ご確認ください。

都道府県 施設名
北海道 北海道大学病院
北海道 札幌医科大学附属病院
岩手県 岩手医科大学附属病院
宮城県 宮城県立こども病院
秋田県 秋田大学医学部附属病院
福島県 公立大学法人福島県立医科大学附属病院
茨城県 筑波大学附属病院
茨城県 茨城県立中央病院
茨城県 水戸済生会総合病院
栃木県 自治医科大学附属病院
栃木県 国際医療福祉大学病院
栃木県 獨協医科大学病院
埼玉県 埼玉医科大学病院
埼玉県 瀬戸病院
埼玉県 獨協医科大学越谷病院
埼玉県 北里大学メディカルセンター
千葉県 千葉大学医学部附属病院
千葉県 東邦大学医療センター佐倉病院
東京都 昭和大学病院
東京都 独立行政法人 国立成育医療研究センター
東京都 東京女子医科大学
東京都 山王病院
東京都 聖路加国際病院
東京都 慶應義塾大学病院
東京都 日本医科大学付属病院
東京都 東京慈恵会医科大学附属病院
東京都 日本赤十字社医療センター
東京都 東邦大学医療センター大森病院
東京都 総合母子保健センター愛育病院
東京都 東京大学医学部附属病院
東京都 東京医科歯科大学医学部附属病院
東京都 東京医科大学病院
東京都 杏林大学医学部付属病院
東京都 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院
東京都 一般社団法人 至誠会第二病院
神奈川県 横浜市立大学附属病院
神奈川県 東海大学医学部付属病院
神奈川県 北里大学病院
神奈川県 昭和大学横浜市北部病院
神奈川県 聖マリアンナ医科大学病院
新潟県 新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター
富山県 富山大学附属病院
石川県 金沢医科大学病院
山梨県 山梨県立中央病院
山梨県 国立病院機構甲府病院
岐阜県 岐阜大学医学部附属病院
静岡県 順天堂大学医学部附属静岡病院
愛知県 名古屋市立大学病院
愛知県 藤田保健衛生大学病院
愛知県 名古屋市立西部医療センター
愛知県 名古屋逓信病院
愛知県 名古屋大学医学部附属病院
愛知県 あいち小児保健医療総合センター
愛知県 豊橋市民病院
愛知県 名古屋第二赤十字病院
滋賀県 滋賀医科大学
京都府 京都第一赤十字病院
京都府 医療法人財団今井会足立病院
京都府 三菱京都病院
大阪府 大阪市立総合医療センター
大阪府 大阪大学医学部附属病院
大阪府 大阪府立母子保健総合医療センター
大阪府 独立行政法人 国立循環器病研究センター
大阪府 関西医科大学附属枚方病院
大阪府 公益財団法人 聖バルナバ病院
兵庫県 神戸大学医学部附属病院
兵庫県 兵庫医科大学病院
兵庫県 兵庫県立塚口病院
兵庫県 関西労災病院
兵庫県 神戸アドベンチスト病院
奈良県 奈良県立医科大学附属病院
和歌山県 和歌山県立医科大学附属病院
和歌山県 日本赤十字社和歌山医療センター
鳥取県 鳥取大学医学部附属病院
島根県 島根大学医学部附属病院
岡山県 岡山大学病院
広島県 広島大学病院
広島県 中国電力株式会社 中電病院
山口県 山口県立総合医療センター
徳島県 徳島大学病院
香川県 四国こどもとおとなの医療センター
愛媛県 愛媛大学医学部附属病院周産母子センター
高知県 高知大学医学部附属病院 臨床遺伝診療部
福岡県 独立行政法人 国立病院機構 九州医療センター
福岡県 福岡大学病院
福岡県 国立病院機構 小倉医療センター
福岡県 久留米大学病院
福岡県 福岡市立こども病院
長崎県 長崎大学病院
熊本県 熊本大学医学部附属病院

 

 

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約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。
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2 件のコメント

  • niptは陰性の的中確立が高く、1万分の1が偽陰性 ほぼ確定的だとおもいます。
    陽性での的中率は617人の内20人が偽陽性で3.24パーセント。無駄な羊水検査が防げて良いと思います。
    あと、ベテランの医師による超音波エコーによる検査でかなりの確率で障害を持った胎児の異常は発見できると思います。
    超音波エコーを見るのは医師によって、上手、へたの差がかなりあると思います。
    niptはその辺安心できると思います。
    我が家では現在妊娠中で2人目です。
    高齢です
    以下を参照しました
    http://www.nipt.jp/nipt_04.html
    niptの検査内容を理解するのは難しいです。
    胎児や赤ちゃん、子供の自閉症や発達障害などまだまだ研究が遅れていて、間違いの多い研究が多いと感じます

    • 飯嶋様

      返信遅くなり失礼しました。情報の補足を頂きありがとうございます。
      確かにエコーは医師の腕に左右される要素がありそうですね。
      そういう意味ではniptは良い検査だと我々も思っています。
      ただどの検査も全ての懸念(自閉症や発達障害など)を払拭できるものではない点は、おっしゃる通りかと思います。

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