出生前診断という選択肢を前に思うこと。正解はないけど決断はしなければならない

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まだ不安も抱える段階で少し気は早いのですが、今日は出生前診断について調べたので書いてみたいと思います。

結論から言うと、私は出生前診断を受けるか受けないかまだ迷っている段階です。

 

出生前診断。

 

名前は聞いたことがあったけど、きちんと自分ごととして調べるのは今日が初めて。

不妊治療のことはこれまで割と広く知識を深めてきたつもりでしたが、妊娠後のことは自分でも驚くほどさっぱり。

あまりに「初めて知ること」が多く愕然としております。

そんな私ですので、何か情報に不足や誤りがあれば是非とも指摘してくださいね。

 

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出生前診断は何のためするの?

出生前診断とは、

 

赤ちゃんが生まれる前に赤ちゃんの病気や奇形の有無を診断するため

 

に行われます。

出産前に状態を観察・検査することにより、

 

  • 生まれる前の赤ちゃんに治療を行うことができる(場合がある)
  • 出生後の赤ちゃんの治療や子育てに対しての準備期間を設けることができる
  • 赤ちゃんについての情報を夫婦でより深く共有するきっかけになる

 

といった目的があるとされています。

 

出生前診断には「非確定検査」と「確定検査」がある

出生前診断は大別して、非確定検査の3種類、確定検査の2種類があるようです。

出生前診断 種類
非確定検査 新型出生前診断
コンバインド検査
母体血清マーカー検査
確定検査 絨毛検査
羊水検査

 

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「非確定検査」とは?

出生前診断に興味を持った方がまず考えるのは、おそらく非確定検査のことだと思います。

非確定検査の種類は以下の3つ。

 

  • 新型出生前診断(NIPT)
  • コンバインド検査
  • 母体血清マーカー検査

 

各検査のおおよその特徴をまとめて比較表にしました↓

※検査対象や費用、結果報告までの時間等、検査する病院により若干異なります。

精度や費用にけっこう幅がありますね。

 

新型出生前診断(NIPT)

新型出生前診断NIPTは、非確定検査3つの中で一番よく目にする気がします。

不妊治療や妊娠関連のことをネットで調べていると、NIPTの広告をよく見るんですよね。

ちなみに、このNIPTの国内での実施は2013年4月からと比較的最近のこと。

非確定診断の中でも最新ですし精度も高いので、受診された方も多く、体験記をブログで目にする機会がけっこうあります。

NIPTは基本的に出産時の母体年齢が35歳以上などの条件を設けているようですが、病院によっては制限なく調べてくれるところもあるみたいですね。

 

コンバインド検査

コンバインド検査は病院によって胎児ドッグとも呼ばれ、血液検査と超音波の組み合わせで染色体疾患の可能性を検出する検査のようです。

 

母体血清マーカー検査

母体血清マーカー検査は、母体から採取した血液を分析して、3つもしくは4つの項目の数値を測り胎児の染色体異常を調べる検査です。

項目が3つのものを
「トリプルマーカーテスト」、

4つのものを
「クアトロマーカーテスト」と言います。

 

「確定検査」とは?

確定検査は実施要件に該当する希望者のみが受けることの出来る検査です。

確定検査は以下の2種類。

 

  • 絨毛検査
  • 羊水検査

 

精度がほぼ100%と高いですが、同時にリスクも少なからずあることに注意が必要です

流産や死産のリスクもあるためか、非確定検査に比べ総数としてはそう多くないのかもしれません。

 

絨毛検査

胎盤にある絨毛を採取して染色体異常を検査するものです。精度はほぼ100%

また、胎盤に針を刺す為、胎盤の内側にある胎児を包む羊膜に穴はあきません。

羊水検査より早い週数で検査できることがメリットですが、高い技術を必要とする為、検査できる医療機関も限られます。

 

羊水検査

長い針を子宮に刺して羊水を吸引します。羊水を調べることで胎児の先天的異常を判断する検査です。

妊娠16週以降に行われます。この検査の精度はほぼ100%と確定的診断が可能です。

以前は、わずかに破水のリスクがあると言われていましたが、現在は技術の進歩もありそれほど心配することはないようです。

絨毛・羊水検査はだれしもが受けられるわけではなく、以下条件を満たした上でカウンセリングを受け、検査について十分に理解した方が対象となります。

  • 非確定検査で陽性の確率が高く出た
  • 夫婦のどちらかが、染色体異常を持っている
  • 染色体異常のある子を妊娠・出産したことがある
  • 高齢妊娠である
  • 妊婦やパートナーが重い遺伝病を持っている
  • 胎児が重い病気にかかる可能性がある

※引用:子育てハック

 

出生前診断で分かることは限られている

ほとんどの検査で分かる項目は、主に染色体異常についてです。

では、胎児にみられる異常のうち染色体異常はどれくらいを占めるのでしょうか?

調べてみるとその割合は25%前後のよう。

つまり、残り75%は出生前診断では気づけない異常があるということです。

したがって、出生前診断を受け結果に問題がなかったからといって、胎児に全く問題がないとはいえないのです。

 

予約はいつまでにすべき?

検査時期の目安には多くの場合制限があり、また検査を実施している医療機関も限られているため、検査を希望する際は早め早めに調べて予約を取る必要がありそうです。

NAC日本橋受診者の方のブログを見ると、非確定検査を希望する場合、10wでNAC卒業となってからの予約では遅いというのが割と共通認識のようですね。。

そのためか、心拍が確認できたらすぐに予約を取っている方も見受けられました。

 

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年齢による染色体異常の割合は?

染色体異常の中でも生存率が高く、最も多く見られる染色体異常が21トリソミー(ダウン症候群)です。

トリソミーとは・・

染色体が重複している状態のこと。

通常の染色体は2本で1対となっていますが、これが3本あるものをトリソミーと言う。

(イメージ図)

(ダウン症候群にはトリソミー以外にも、3本目の染色体が別の染色体にくっついている転座型、21番目の染色体が3本のものと2本のものが混じっているモザイク型というタイプがあります)

ダウン症候群で生まれた子供は、

 

  • 顔貌の特徴がみられる
  • 言語発達、運動発達がゆっくり
  • 合併症を持って生まれる場合も多い

 

といった特徴や懸念があります。
(参考:Wikipedia

 

21トリソミーやその他の染色体異常が発症する確率は、一般的に妊娠出産時の母体年齢の上昇に比例して高くなると言われています。

(厚生労働省:不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会資料より引用)

ちなみに受精卵を凍結した場合は、いつ移植したとしても発症確率は受精卵を得た(凍結した)時の母体年齢によるとのことです。

染色体異常の多くは、精子や卵子ができる時の分裂異常、または受精卵発育初期の分裂異常によるもので偶然に発生するものであるため遺伝性はないとされています。

また、初産か経産婦かで発症確率が変わることもないとされています。

FMC東京クリニック、コンバインド検査

胎児の染色体異常(ダウン症等)や先天的疾患の種類や症状。不妊治療〜採卵移植の出産率についても

2018年5月14日

 

出生前診断について今現在思う正直な気持ち

私ぽっ子は、今後順調に進めば出産時は35歳。いわゆる高齢出産にはいります。

例えば、21トリソミーの発症確率は35歳で

 

385分の1

 

この確率や高齢出産のリスクをどう捉えるか。

う〜ん・・・

今の率直な気持ちを書くと、冒頭にも書きましたが出生前診断を受けるか受けないか、まだ迷っている段階です。

というか、どちらかというと受けなくてもいいかなという方に傾いているのが正直な気持ち。

出生前診断には以前から様々な意見がありますよね。

「異常が分かれば出産後の準備に役立つ」という肯定的な意見がある一方、

 

  • 命の選別に拍車がかかる
  • 障害者がますます生きづらい世の中になる

 

など複雑な倫理的な側面もあって、反対する方がいるのも事実。

 

私の現在の考えとしては、自分を含め授かるまでに不妊治療で多くの苦労をしている方をたくさん見ているためか、

 

事前にリスクを知ること

 

という観点で言えば、出生前診断を受けるか受けないかは個人の自由だと思っています。

不妊治療での例えですが、もしも自分が「授かるために多くの時間とお金を必要とする」と事前にわかっていればそれまでの行動も変わっていたのではないかな、と思うわけです。

だからこそ生まれてくる子供の状態をいち早く把握しておくことで、行動や考え方も変わるのかなと。

ただ、「事前にリスクを知った=胎児の異常がわかった」方の96%が中絶を選んだというデータがあるのも事実。

衝撃的な事実ではあるけれど、私はその事実に対して否定することは出来ません

FMC東京クリニック、FMFコンバインド・プラス検査、胎児ドック

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2018年5月14日

 

事前に分かることで自分は何が変わるんだろう

 

もし私たちが出生前診断を受けて、障害が分かったらどうする?

知ってしまったら余計に不安になってしまう?

自分だったら中絶を考える?

 

妊娠する前は、自分は絶対に出生前診断をするだろうなと思っていました。

とにかく、こと妊娠・出産に関して不安ばかり感じていたんだと思います。

ただ、いざ妊娠し移植後診察が不安になりながらも胎児が成長していく過程をみていると、

 

私は障害が分かったとしてどうするんだろうか?

やっと授かった命を中絶することは考えないんじゃないか?

 

とも、今は感じるんですよね。

出生前診断で分かる項目は限られていますし、陰性だからといって手放しで安心はできない。検査では分からないその他の病気を患って生まれてくる可能性だってある。

もし無事生まれたとしても、事故や病気といったリスクがあることは言うまでもない。

ものすごく繊細な問題です。

重複しますが、出生前診断を前にしてどんな道を選んだ方も私は否定できません。

私も今後考えが変わる可能性だってあります。

とはいえ、今はこの選択肢について深く考え、子供の未来、家族の未来、自分の未来についてしっかりと向き合っておかなければなと強く感じています。

やるも、やらないも決断することが大事だと。

決断できずに結果「やらない」のではなく、考え悩み抜いて「やる」「やらない」と覚悟を決めることが未来の家族や自分に対する責任ある行動だと感じています。

コンバインド検査(胎児ドック)で有名な都内のクリニックを比較してみた。費用や検査項目など

2018年4月19日

 

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1983年生まれ。約4年の妊活〜不妊治療を経て顕微授精による移植で2018年に出産しました。経験から不妊治療を取り巻く環境の課題軽減、当事者支援に取り組んでいます。
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4 件のコメント

  • ぽっ子さん、こんにちは。
    確かに出生前診断は賛否両論ある難しい問題ですね。
    倫理・感情派の方々は「命の選別するなんて」といいますが、
    現実・合理派の方々は「きれいごとで何十年も責任持つ自信持てないなら産むな」
    など、私もネットで色んな意見見ました。

    私は出生前診断受けました。
    確かに時間・気力・お金をかけてやっと妊娠・卒業したのにリセットする勇気は無かった。
    でも、それは一時のことだと考えました。
    何か見つかっても出産したら、その後、何十年も特別な措置をし続け、
    兄弟の気持ちや自分の死後も考え、
    それでも出産した方が中絶するより全員の幸せの量は大きいか、とも考えました。
    産まれてしまえば受け入れるし可愛く思うし愛着も沸きますが、もしかしてそれは私の独りよがりではないか。

    勿論、出生後に見つかる異常や事故など、列挙し始めたらキリが無いですね。
    でもそもそも、調べられる異常と「そのうち出るかもしれない」異常とは全く別物。
    分かるものを知りたくない理由って2つくらいでしょうか。
    ・受け入れられるからそもそも結果がどっちでもOK
    ・受け入れられるか分からず怖いからとりあえず逃げ

    私はもし2人目も、ということになった時にまた体外受精になるかもしれないし、
    そうなると兄弟のことや家計のこと、2人目も異常があった場合の人生を考えました。
    この決断、もし中絶を選べば必ずどこかから「人でなし!」「母親失格」と言われます。
    が、きれいごとで済まない現実。
    批判する人だって本当に何十年も後悔しないと言い切れる人たちなのだろうか。

    これは結論も正解もないので決めたらどちらでもその人にとって正しいんでしょうね。
    例えるなら日本車でも外車でも間違いも正解もなく自分の身の丈と信条に合う方が正解、とか。

    こうして私はクアトロマーカーテストと羊水検査受けました。

    • かぐらさん

      コメントありがとうございます。
      私はこの記事で初めて出生前診断について真剣に考え始め、まだまだ表面的にしか捉えることが出来ていなかったのでかぐらさんのコメントもとても参考になりました。

      かぐらさんの言う通りですね。
      家庭環境、金銭的な収入、どう妊娠に至るか、兄弟を考えるのか、周りに見てくれる人はいるのか等々、個人個人で大きく異なるのでどんな結果に至った方も、周りが勝手にこうだと決めつけることでは全くないですね。
      どんな道を選びどう感じて生きていくのかはいつだって自分次第。

      不妊治療に通っているとまずはBT診察を乗り越えることが精一杯で、その後のことを調べるのが後手後手に回りがちですね。。
      私はまだ、受けようか迷っています。受けた後のことをまだ決めれていなくて。このまま卒業出来るとしたらもうそんなに迷う時間もないのですが。。

      かぐらさんは最初クアトロだったんですね。私も受けるとしたらクアトロかコンバインド検査で迷っています。
      羊水検査、さぞ怖かったのではないでしょうか。
      母として、とても勇気ある行動でしたね・・!尊敬します。

  • ぽっこさんお久しぶりです!

    出生前診断、実は受けました。
    …というものの、私もぽっこさんと同じく当初は受けないつもりだったんです。
    恥ずかしながら、妊婦健診の時にもしダウン症の特徴とか見受けられたら先生から指摘されるでしょ〜くらいにしか考えてなかったんです^^;

    13w1dで産科デビュー。
    その時に先生に「NTは測ってくれるんですか?」って何となく質問してみたのですが…これが出生前診断を受けるきっかけになりました。

    先生曰く
    ・妊婦健診は赤ちゃんが成長してることと妊婦さんの健康状態のみ診る
    ・NTはダウン症の1つの特徴と言えるが、当病院では命の選択に繋がるようなことは言わないし診ない。

    とのことでした。
    この「命の選択に繋がることは言わない」という言葉にすごくモヤモヤしてしまったんです。例えば、エコーで先生が「あれ?」と思っても何も言ってくれないってこと??って。。
    (結局、出生前診断を受けた別の病院の先生と話して、この事は言葉の綾だったのではないかという整理になりました。)

    このモヤモヤが収まらず…次の妊婦健診は1ヶ月後だし。。
    急展開ですが、13w5dに出生前診断を受けました。私は広尾レディースクリニックで胎児ドッグを受けました。胎児スクリーミング+母体血清マーカーです。
    ちなみに初期の胎児ドッグは13w5dまでなので、ギリギリですね。笑

    結果的に、私は胎児ドッグを受けてみてモヤモヤはひとまず晴れました。また3Dエコーで細かく赤ちゃんを診てくれるので、安心もしました。
    (胎児ドッグは確率で数値を出すので、1万分の1の確率と出ても1万人のうちの1人に自分が当たるかもしれないってことなので、もちろん可能性がゼロではないんですよね。。実際にそういう患者さんが過去にいらしたみたいです。)

    反省点としては、
    急展開で胎児ドッグを決断したとはいえ「良くない結果だった場合の対応」について夫婦でちゃんとした答えが出せない状態で受けてしまったことです。それが原因で、先生とのカウンセリングで自分の冷酷さや浅はかさに泣いてしまい。。苦笑

    長くなってしまいすみません。。
    この件については近々ブログを更新する予定なので、その際は良ければ読んでくださいね。
    寒暖差が激しい気候が続きますが、ぽっこさんもお身体大切にしてください(^^)

    • まぼさん

      まぼさんこんばんわ(*^-^)コメントいただきありがとうございます。
      私もこの記事で出生前診断について考え始めたばかりで、分からないことだらけなのでまぼさんのコメントとても参考になりました。
      不妊治療に通っている間は、目先の診察ばかりに気をとられなかなか卒業後のことに思いを巡らすのが難しいですよね。

      産科はNTなど積極的に言ってくれないところもあるのですね。全く知りませんでした。

      私も今、もし診断を受けるとしたらまぼさんのような検査項目の組み合わせか、クアトロテストかなと思っています。
      今の所飯田橋のFMC東京クリニックというところのコンバインド検査が一番気になっているのですが、いかんせん情報が多く・・。何がベストなのか見極めるのが難しいですよね。あまり迷う時間もないですし。
      まぼさんは広尾で受けたんですね。私も参考までにまぼさんの病院見てみます。
      3Dエコーで見る赤ちゃん、すごいらしいですね!それはそれでとても興味があります。

      そうそう、そうなんですよね。結果をどう受け止めるか。。
      私たち夫婦も、「もしもの場合どうするの?」とそこからなかなか話が進みません。本当に繊細な問題ですよね。

      まぼさんのブログ更新、ぜひ読ませていただきます!

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