2022年4月から始まる不妊治療の保険適用について現在分かっていること

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4月から開始される不妊治療の保険適用について、まだ詳細は発表されておらず治療当事者はもちろん不妊治療を行う医療機関でさえ見えていないことが多いようですが、2月16日現在わかっていることや報道されていること等をまとめてみました。

随時更新予定です。誤りがあればぜひご指摘いただけると幸いです。

また、内容によっては今後変更される可能性もある旨、ご承知おきください。

※3月23日更新

厚労省 不妊治療に関するページ

厚労省の不妊治療に関するページ
不妊治療に関する支援について

令和4年度診療報酬改定説明会(令和4年3月4日開催)資料等について
令和4年度診療報酬改定の概要 不妊Ⅰ (概要、先進医療、医薬品、移行措置)
令和4年度診療報酬改定の概要 不妊Ⅱ (各論)

 

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これまでの特定不妊治療(体外受精・顕微授精)助成制度について

前提
保険適用後、国による特定不妊治療助成事業の継続は予定なし

不妊治療の円滑な移行に向けた支援
2021年度〜2022年度をまたぐ治療には1回分の助成を継続
(年度をまたぐ一連の治療に対して助成金が支給される)

参照元 : R3補正「不妊治療の保険適用の円滑な移行にむけた支援」

年度をまたぐ助成金についての詳細

・治療開始日が令和4年3月31日以前で、治療終了日が令和5年3月31日までの治療は、1回まで助成金対象

・治療ステージC(凍結胚移植のみ)は、治療開始日が令和4年4月1日以降であったとしても、治療終了日が令和5年3月31日までの治療は、1回まで助成金対象

・現行制度で上限回数まで助成を受けている場合は経過措置の対象外。現行制度で助成回数が複数回残っている場合でも、経過措置期間に受けられる助成回数は1回のみ。

※上記内容は今後変更になる場合もありとの記載

(参照元 : はらメディカルクリニック

 

国による助成金制度の継続については、2月10日に行われた衆議院予算委員会にて立憲民主党の岡本あき子議員が質疑を行い、後藤厚労大臣からも「助成金継続の予定はない」との回答がなされました。

https://twitter.com/pocoloooog/status/1491613303797596161?s=20&t=3N6RWdPsCYUjhAhgtZKfWA

 

ただし、自治体によっては助成制度の継続あり

報道によると、

 

鳥取県
(参照元 : 日本海新聞

京都府
(参照元 : 朝日新聞

佐賀県
(参照元 : 佐賀新聞

兵庫県
(参照元 : NHK

山形県
(参照元 : 朝日新聞

三重県多気町
(参照元 : 毎日新聞

茨城県常陸大宮市
(参照元 : 朝日新聞

青森県弘前市
(参照元 : 陸奥新報

新潟県十日町市
(参照元 : NIIKEI

 

が、現段階で不妊治療に対する助成金制度の継続や予算案を発表している。

(今後こうした独自の助成制度を発表する自治体は増えていきそう?)

 

助成金利用の回数が保険適用の回数制限へ引き継がれるのか?

引き継がれないとのこと。

3月末までの助成金回数制限は、4月以降にリセットされることが確定しました(Q8参照)

引用元 : 厚労省 不妊治療に関する最新情報【令和4年3月16日時点】

 

3月16日に示された最新のリーフレットにはそのほか

・保険適用以前に保存した凍結胚も保険適用での移植が可能

・4月に40歳、43歳を迎えられる方の年齢制限について9月30日まで経過措置あり

との案内も記載されています。

 

 

2月18日付毎日新聞にて「国の助成受けた人も保険適用」と報道されました。

助成金→保険適用の回数制限 は引き継がれない方向性のようです。

後藤茂之厚生労働相は18日の衆院予算委員会で、今年4月から始まる不妊治療の保険適用に関し、これまでの国の助成金制度で対象となる回数の上限まで治療を受けた人も、保険適用の対象になるとの考えを示した。「助成金の支給回数を保険適用後も通算することはなじまない」と述べた。公明党の伊佐進一氏への答弁。

引用元 : 毎日新聞 不妊治療、国の助成受けた人も保険適用 厚労相、予算委で答弁

https://twitter.com/pocoloooog/status/1494721239570546691?s=20&t=DBEv3Xfpt1VAqLjXvRP2Lw

 

現段階で確定的な発表なし。

厚労省に問い合わせるも詳細は3月ころ発表との回答

しかしながら朝日新聞のみ2月9日付で、「助成金の回数を使い切っていた場合も保険を使う治療の回数は1回目から数えられる様にする方向で厚労省が検討している」と報じている。

(参照元 : 朝日新聞 不妊治療の保険適用、料金は?専門医、地方で「負担が増える人も」)

 

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保険適用の運用について

対象者
事実婚及び法律婚のカップル

対象治療法
一般不妊治療(タイミング法・人工授精)
特定不妊治療(体外受精・顕微授精)
男性不妊治療

体外/顕微授精における対象者
女性の年齢が治療開始時点において43歳未満

体外/顕微授精の「胚移植」における回数制限
女性の年齢が

・治療開始時点において40歳未満→1子につき6回まで
・治療開始時点において40歳以上43歳未満→1子につき3回まで

※回数のカウントは移植に対して行われる

(参照元 : 中医協 第516回総会 個別改定項目について

採卵の回数に関し杉山産婦人科のHPには、

“採卵に回数制限はありませんが、保険診療で作成した余剰胚凍結がある場合、それを使用(融解胚移植)しませんと次回の採卵は保険適用されません”

との記載あり。

参照元 : 杉山産婦人科 当院におけるART保険適用の基本方針

 

保険利用回数の把握方法
当面は患者からの申告・誓約に基づき対応してはどうか?とされている。

参照元 : 中医協 個別事項(その10)不妊治療の保険適用(その3)

 

特定不妊治療の保険適用範囲
→ガイドライン推奨度A又はBとされる医療技術(男性不妊治療を含む)については、原則として保険適用

(参照元 : 生殖補助医療の全体像(イメージ)(※生殖医療ガイドライン推奨度追記))

顕微授精におけるオプション治療
今回の改定で、受精卵作成の成功率を向上させることを目的とし新設された治療は以下

・卵子活性化処理

胚移植におけるオプション治療
今回の改定で、着床率の向上を目的とする移植オプションで新設された治療は以下

・アシステッドハッチング
・高濃度ヒアルロン酸含有培養液

(参照元 : 中医協 第516回総会 個別改定項目について

先進医療について

生殖ガイドライン推奨度とされる医療技術については、原則として保険適用外となるが、 医療機関からの申請があったものについては、順次、先進医療として実施することについて審議が進められている。

先進医療とは・・

公的医療保険制度に基づく評価療養のうち、厚生労働大臣が定める先進医療のこと。具体的には、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとしたもの。

参照・引用元 : 厚労省 先進医療の概要について

日本は混合診療が認められていないので、通常は保険が適用されていない治療をうけるとその疾病に関する一連の診療の費用は、初診に遡って「自由診療」として全額患者負担となってしまう。しかしながら、先進医療として適用されている治療は、先進医療分のみが自己負担になる。

※先進医療にかかる費用は高額療養費の支給対象外

現在、

先進医療「適」

・PICSI
・タイムラプス
・子宮内細菌叢検査 (EMMA/ALICE)
・子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)
・子宮内膜受容能検査(ERA)
・子宮内膜スクラッチ

先進医療「継続審議」

・IMSI
・二段階胚移植法

と審議〜検討が進行している模様。

 

参照・引用元 令和4年度診療報酬改定の概要 不妊Ⅰ (概要、先進医療、医薬品、移行措置)

 

今後の検討の進め方について

① 「条件付き適」と評価がされた技術については、先進医療会議において、指摘事項に対する回答の確認を行い、適切に回答が確認された場合については、 先進医療として実施することを「適」とする。

② 「継続審議」と評価がされた技術については、指摘事項に対する回答を踏ま え、改めて事前評価及び先進医療会議における審議を行うこととする。

③ まだ評価が行われていない技術については、引き続き、速やかな審議を進めることとする。

参照元 : 不妊治療に係る医療技術の検討状況について

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PGT-Aについて

生殖医療ガイドラインではB評価だが、今回の改定案では保険適用対象にならず、「PGT(着床前診断)の取扱いについては、現在、関係学会において行われている議論の状況等を踏まえつつ、別途検討」

とされている。

(参照元 : 中医協 個別事項(その10)不妊治療の保険適用(その3)

 

PGT-Aが保険適用 or 先進医療に認定されるまで、PGT-Aを必要とする患者は治療費が全額自費となってしまいそう。

不妊治療に関する医薬品の承認審査について

現在、厚労省 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課で、不妊治療に標準的に用いられる医薬品について、学会等からの要望も踏まえ、有効性及び安全性を適切に確認しつつ、承認審査が進められている。

(参照元 : 厚労省 不妊治療に関する医薬品の承認審査について

 

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高額療養費制度について

保険診療分については適用される。

高額療養費制度とは・・

医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度。

・対象は保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額
・入院時の食費負担や差額ベッド代等は含まない
上限額は、加入者の年齢や所得によって異なる

・加入している公的医療保険に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられる

・加入の医療保険によっては、「支給対象となります」と支給申請を勧めたり、 さらには自動的に高額療養費を口座に振り込んでくれたりするところもある

・あらかじめ加入保険組合より「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関の窓口に提示すれば医療機関ごとにひと月の支払額が自己負担限度額までとなる

・マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関では、「限度額適用認定証」がなくても限度額を超える支払いが免除される

さらに、負担をさらに軽減するため

①世帯合算
②多数回該当

といった仕組みもある。

参照・引用元 : 厚労省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

厚労省「マイナンバーカードの健康保険証利用について ~医療機関・薬局で利用可能~」

 

診療報酬について(実際の費用負担感)

亀田IVFクリニック幕張のブログを引用させていただきます。

全て「保険点数×10円の3割負担」ですので、点数に3をかけた数字がおおまかな費用になります。

①採卵をした場合
採卵術   3,200 点
注 (採卵された卵子の数に応じて下記イロハニを加算)
イ 1個の場合       2,400 点
ロ 2個から5個までの場合 3,600 点
ハ 6個から9個までの場合 5,500 点
ニ 10 個以上の場合    7,200 点

②体外受精又は顕微授精を実施した場合
体外受精・顕微授精管理料
体外受精           4,200点
顕微授精
イ 1個の場合        4,800点
ロ 2個から5個までの場合  6,800点
ハ 6個から9個までの場合  10,000点
ニ 10個以上の場合     12,800点

体外受精及び顕微授精を同時に実施した場合(スプリット)は、体外受精費用の半分と顕微授精費用を足した金額、そして精巣内精子採取術により採取された精子を用いる場合は、採取精子調整5,000 点が加算されます。
卵子活性化をすると卵子調整加算 1,000 点が加算されます。

③体外受精又は顕微授精により作成した受精卵の培養等の管理に係る評価 (新)
受精卵・胚培養管理料
1個の場合        4,500点
2個から5個までの場合  6,000点
6個から9個までの場合  8,400点
10個以上の場合     10,500点
注 胚盤胞培養加算
(胚盤胞の作成を目的として管理を行った胚の数に応じ下記を加算)
1個の場合       1,500点
2個から5個までの場合 2,000点
6個から9個までの場合 2,500点
10個以上の場合     3,000点

④受精卵の培養により作成された初期胚又は胚盤胞の凍結保存に関わる医学的管理に係る評価 (新)
胚凍結保存管理料
1 胚凍結保存管理料(導入時)
イ 1個の場合        5,000点
ロ 2個から5個までの場合  7,000点
ハ 6個から9個までの場合  10,200点
ニ 10個以上の場合      13,000点
2 胚凍結保存維持管理料        3,500点
胚凍結保存維持管理料は凍結保存の開始から1 年を経過してから、凍結胚の維持管理を行った場合に、当該凍結保存の開始日から起算して3年を限度として、 1年に1回に限り算定できます。

⑤胚移植術
1 新鮮胚移植の場合         7,500点
2 凍結・融解胚移植の場合      12,000点
着床率の向上を目的として下記が保険算定可能となります。
アシステッドハッチング        1,000点
高濃度ヒアルロン酸含有培養液  1,000点

⑥その他
AMH測定は体外受精の卵巣刺激前提であれば6ヶ月に1回 600点で検査できるようになります。
仮にですが、卵巣刺激にかかる薬剤費用は保険を使うと5,000-50,000程度です。
その間にかかるホルモン採血費用は保険を使うと当院で3回実施した場合、5,000円前後です。超音波検査を同様に3回実施した場合、5,000円前後です。
今までなかった費用としては別途、生殖補助医療管理料が毎月250-300点(750-900円)加算されるようになります。

引用元 : 体外受精の保険適用について~当院受診中の患者様へ(2022/2/10現在)~

仮に全て「10個以上」で採卵〜胚凍結(スプリット/胚盤胞まで培養)まで行なった場合、51,800点。実際の支払いは保険点数×10円の3割負担で約15.5万円(生殖補助医療管理料・AMH検査・内診・薬剤費等含まず)だが、高額療養費制度が適用されるのでひと月以内の治療であれば加入者の所得が年収370万円〜770万円の場合約8万円の実質負担となる。

なお人工授精は1,820点で、3割負担は5,460円(一般不妊治療管理料・AMH検査・内診・薬剤費等含まず)となる。

また男性不妊治療は、

Y染色体微小欠失検査 3,770 点
精巣内精子採取術
1 単純なもの 12,400 点
2 顕微鏡を用いたもの 24,600 点

となる。

(参照元 : 中医協 第516回総会 個別改定項目について

Twitterで積極的に発信を行なっているくろまめさんが、体外・顕微授精の料金シュミレーターを作成してくれたのでこちらも活用ください。

https://twitter.com/tinykuromame/status/1491353784966316033?s=20&t=TszbDJxmh4JSca-jCpndsg

 

以上、適宜 更新します。

 

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1983年生まれ。約4年の妊活〜不妊治療を経て顕微授精による移植で2018年に出産しました。経験から不妊治療を取り巻く環境の課題軽減、当事者支援に取り組んでいます。
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