もうレディースとかウィメンズとか取っちゃえば?全国の不妊治療クリニック名を調べて感じたこと

驚くロバ
スポンサーリンク

 

先日アンケート作成の為、全国の医療機関をデータ化する際にふと気づいたことがあります。

それは、

 

不妊治療CLって「レディース」とか「ウィメンズ」ってつくとこ多くない?

 

ってこと。

 

不妊の原因は男女半々ですよ

不妊治療は夫婦で取り組むもの

 

なんて言ってる割に、看板を見上げれば

 

「〇〇レディースクリニック」

「〇〇ウィメンズクリニック」

 

と掲げているクリニックが多いこと多いこと。

個人的に引っかかったので、これらを冠したクリニックが全国にどれくらいあるのか調べてみました。

ニッチでしょう〜

くだらなそうでしょう〜

でもすごく興味湧いてくるでしょ〜

そんな割とどうでも良いことを真面目なトーンで書いています。本質を突く話ではないですが一理ある視点だとも思っています。

それでは見ていきましょう。

 

スポンサードサーチ

全国の不妊治療クリニック名を調べてみた。レディースやウィメンズを冠するCLは〇〇〇院もあった!

まず調べるにあたっての前提を。

前提

調査対象:日産婦登録の1,142施設

抽出対象:女性を示すワード

 

日本産科婦人科学会の2018年8月時点での登録施設数は1,142施設となっています(数えました)

その中で「女性を示すワード」は、

 

  • レディース
  • レディス
  • Ladies
  • ウィメンズ
  • ウイメンズ
  • ウイミンズ
  • ウーマンズ
  • WOMEN’S
  • 女性

 

の9種類が存在することが分かりました。

「レディース」系陣営と、「ウィメンズ」系陣営に「女性」陣営が割って入る構図のようです。

意外に種類がありますな。

※以降はこれらのワードをひとまとめに「LWJ」 =Lady+Women+Josei という変数に代入して話を進めます。

 

そして全国1,142施設のうち、LWJを冠する登録施設は212施設あり、約18%を占める結果となりました。

約5院に1院位の割合ですね。

個人的にはもっと多いと予想したんですけど、意外にそうでもない。

納得がいかなかったので、本格的な不妊治療=体外受精以上を行える施設617院に絞ってその割合を出してみました。

結果は、

 

34%

 

うんうん、自分の肌感覚はこれくらいの割合。

34%ってことは、3院に1院。これって結構多くないですか?

 

さらに詳しく分析してみた

ではもう少し詳しく見てみましょう。

これ以降は正直自己満みたいなものなんで、読み飛ばして頂いても結構です。

嘘です。

くだらないけど、見てちょ(笑)

ゴホン。失礼。

 

では、まずはUSJ、LWJの内訳を。各ワードがついているクリニックがどれ位あるかみてみましょう。

LWJ 体外以上の施設
(617院)
以外
(525院)
L
レディース 125 153
(73%)

1
レディス 27
Ladies 1
W
ウィメンズ 30

52
(24%)


ウイメンズ 19
ウイミンズ 1
ウーマンズ 1
WOMEN’S 1
J 女性 6 6(3%)
211(99.5%)
(0.5%)
合計 212

なんと、LWJを冠した施設分布は、99%以上が体外受精以上を行える登録施設に集中していることがわかりました。

うすうす気づいてはいましたが、この結果から言えることは、

 

LWJを冠する施設は体外受精以上を行うクリニックとイコールであるということかと。

 

LWJ内の勢力としてはレディース系が一番多く、その7割を占める結果になりました。

LWJ

 

スポンサードサーチ

さらに地域ごとに分析してみた

さらに都道府県ごとの日産婦登録の体外受精可能な施設数に占めるLWJ施設はどれくらいか算出してみました。

体外可能施設に占めるLWJ比率のトップ3は、

 

1位:長崎 66.7%(2/3施設)

2位:滋賀 62.5%(5/8施設)

3位:熊本 57.1% (4/7施設)

 

となりました。

逆に少なかった、というかLWJ比率ゼロのところがありました。それも5つも。それは、

 

秋田、大分、岡山、京都、佐賀

 

全国でみれば3院に1院という割合の中、これら府県にLWJは皆無。

ちなみに大都市で言えば、

 

東京 40%(16位)
神奈川 35.3%(20位)
愛知 41.5%(14位)
大阪 31%(27位)

 

という結果に。

全国一覧は以下で確認できます。

都道府県合計LWJ割合
北海道723.3%
青森116.6%
岩手150%
宮城114.3%
秋田00%
山形120%
福島220%
茨城110%
栃木18%
群馬440%
埼玉1244.4%
千葉1037%
東京4040%
神奈川1235.3%
新潟426.7%
山梨133.3%
長野216.7%
富山233.3%
石川350%
福井250%
岐阜440%
静岡630%
愛知1741.5%
三重222.2%
滋賀562.5%
京都00%
大阪1331%
兵庫1756.7%
奈良350%
和歌山250%
鳥取240%
島根125%
岡山00%
広島330%
山口114.3%
徳島133.3%
香川233.3%
愛媛40%
高知133.3%
福岡844.4%
佐賀00%
長崎266.7%
熊本457.1%
大分00
宮崎233.3%
鹿児島350%
沖縄114.3%

 

エリアでくくってみた

エリアでくくるとこんな感じ。

エリア 体外可能施設に占めるLWJ割合
北海道 23% (7/30施設)
東北 17% (6/36施設)
北関東 19% (6/32施設)
南関東 39% (74/188施設)
甲信越 23% (7/30施設)
北陸 44% (7/16施設)
東海 36% (29/80施設)
近畿 41% (40/97施設)
中国 19% (7/36施設)
四国 40% (8/20施設)
九州・沖縄 38% (20/52施設)

LWJ比率は北陸が44%と最も高く、一番低かったのは東北。北陸の半分以下の17%となっています。

 

スポンサードサーチ

3院に1院というLWJ比率について仮説を立ててみた

なんでこんなにもLWJを冠するクリニックが多いのでしょう。

そこで自分なりに以下仮説を立ててみました。その理由は、

 

  • KLCの影響(?)
  • 専門医と分かるようにするため
  • 対象を明確にするため

 

あくまで推測です。

 

この仮説を説明する前に、まずは1990年から2015年に至るまでのクリニック数の伸びをみてみましょう。

不妊治療の現状

25年で体外受精を行うクリニック数はなんと4倍にもなり、約450ほど増加しています。

なぜこれほど増えたのでしょうか?

もちろん需要があるからでしょうが、これはおそらく1988年に凍結胚移植が、1993年に顕微授精が開始されたこと、つまり技術の革新によるところが大きいのではないでしょうか。
(参考:日本生殖医療研究協会

そして当時この先頭(特に凍結技術)を走っていたのが加藤レディースクリニック(KLC)だったのではないかと推測されます。

元KLC副院長で現NAC日本橋の寺元理事長曰く、「当時凍結技術を学びに全国から凄い数の医師が見学に訪れた」とNACの説明会で語っていて、暗にこの凍結技術の普及によってクリニック数が増加したと言っているようでした。

こういった経緯から施設数が伸びゆくトレンドの中で、新たに開院するクリニックが「レディース」といった名前を意識してかせずかは分かりませんが、冠していったのではないでしょうか。

もちろんクリニック名にストレートに「不妊」と入れづらいこともあるでしょう。

当時は今よりももっと不妊治療の認知度は低かったでしょうから、レディースやウィメンズというワードを入れて対象を明確にしておかないとそもそも気づかれないという事情があったのかもしれません。

全国の全登録施設の設立年を全て調べたわけではないのであくまで仮説ですけど、おそらく技術(特に体外受精以上)の進歩によってクリニックが急増する以前の不妊治療界の主役って、大学病院だったり総合病院だったんだと思います。

そしてここ20〜30年で約450も増加したそのほとんどの施設はそういった公的っぽい医療機関よりも、〇〇クリニックといった専門院が多いんじゃないかなと。

大学病院や総合病院、婦人科との違いを明確にするために「レディース」や「ウィメンズ」とつけたのかもしれません。

 

もうレディースとかウィメンズとか取っちゃえば?

最新の医学によって不妊の原因の半分は男性にあるとされている昨今。

「レディース」とか「ウィメンズ」って必要なのかな。

もちろん不妊の原因が男女半々だからといって、通院や検査回数が半々になるわけではありませんので、女性が主であることに変わりはありません。

だからこそ「レディース」とか「ウィメンズ」とか入れたくなるクリニック側の気持ちもわかります。

また、通院する女性側からすれば、そう書かれていた方が安心感があるのかもしれません。

一長一短あると思いますけど、個人的には、このへんから変えていっても良いじゃないかなぁとも思うんですよね。

(もちろん不妊治療専門クリニックに限ってですよ。婦人科を設けてるところもあるでしょうからそこからLWJを取る必要はないかと)

 

スポンサードサーチ

クリニックの雰囲気をガラッと変えてみてはどうか?

もっと言うとクリニックの雰囲気も変えていったらどうでしょう?

ピンクっぽい女性的な感じに寄せすぎず、もっと中立的でシンプルな配色にしてみるとか(語彙力…)

さらにいうと、男性のスパルタ教育部屋とかを作って、初診はそこで旦那たちに不妊治療のリアルな世界をインプットさせるとか。

そこでは、ふんわりした綺麗な妊娠のメカニズム映像ではなく、採卵や移植のリアルさがガチな、作り込まれたストーリー仕立ての若干おどろおどろしいショートムービーをみせて、しょっぱなに思いっきりカマす。強制的に当事者意識をセットさせる。

そして上映後、いかに女性がきつい肉体的・精神的負担を負うかを味あわせる体験を実際にさせる。

例えば、内診台や採卵用の手術台に固定して、股間を開かせて擬似針でグリグリしてその恐ろしさを叩き込むとか 笑。

もうクリニックの中にUSJばりのアトラクションを設置しちゃうみたいな。

まぁ半分冗談ですけど、そんなクリニックが出てきても良いんじゃないかって思います。賛否あるでしょうが。

 

まとめ

少し話が逸れましたが、名前によって無意識のうちに男側は「不妊治療って女が主だよね」って思考停止に陥っている部分も少なからずあるんじゃないかな

名前を変えることでいきなり何かが大きく変わるわけではないけど、そこを変えることで男女の意識の差を取り払う空気感を醸成していくきっかけにもなるのではなかろうか?もちろんこれは本質的なことではないけれど。

と、そんなことを思いながら全国の施設を調べている中で、とても良い名前のクリニックを見つけてしまいました。

おそらくこのクリニックの院長も同じように感じてたんじゃないかな。

その名も

 

岡山二人クリニック

 

そう、

 

Couple’s Clinic

 

女性だけではない、夫婦二人が対象なんだよって名前からひしひしと伝わってきます。

気になったので院長のブログをのぞくと、

岡山二人CL

 

赤ちゃんが欲しいカップル二人のための医療施設です

 

と書かれています。しかも

 

二人 → ふにん

 

と、ダジャレも・・・。

なかなかエッジがきいてる院長っぽいですね。嫌いじゃない(笑)

こんな意識で、今後変えていっても良いじゃないでしょうか?

と、不妊治療の核心を突くような話ではありませんが、それほど大暴投の見当違いでもないと思う個人的な考えを書いてみました。

おしまい。

 

The following two tabs change content below.

約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。
  ↓↓ 気軽にフォローミー! ↓↓   ぽころぐ

2 件のコメント

  • 治療の渦中にいる者にとってはレディースだろうが二人だろうが不妊だろうが望妊だろうが何でもいいから結果だけを望むと思うけど。
    ただ実績と症例数だけでいい。
    なんなら居心地もホスピタリティもいらないから、夜9時まで診察可能とか日祝診てくれるの方がよっぽどいい。
    もっといえば男性の不必要な付き添いもいらない(男性不妊の診察を除く)
    女性しかいない待合の方がよっぽど居心地が良い。
    女性の苦痛を男性に味あわせる意味もない。
    苦痛が無い代わりに妊娠した時にお腹に赤ちゃんがいる幸福感も味わえない。
    極端に言えば産む産まないの最終的な決定権もない。
    役割が違うから、出来ることをできる方がでいいと思う。

    • コメントありがとうございます。
      同感です。実績とか症例数とかしっかりと開示されてほしいですね。
      人的な確保とかクリニック側の課題もあるのかもしれませんが、もっと通いやすい環境になればいいですよね。
      男女でそれぞれ違いや役割があることごもっともです。その点に対しての考えは多様で良いと思います。
      苦痛を味合わせるくだりは半分冗談なのですみません。男性側の当事者意識を持ってもらう取り組みの一例として書きました。
      ほんとにあったら賛否あるでしょうね。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    ABOUTこの記事をかいた人

    約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。