先日受診したFMC東京クリニックで、中期母体血清マーカー検査である
- トリプルマーカー検査
- クアトロテスト
について詳しく受けた説明の内容をまとめています。
個人的にはこの検査は精度の面から、これらを受けるならコンバインド検査以上を受けた方がいいと思います。
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この検査の正式名称と受診可能な週数
正式な名称は、
中期母体血清マーカー検査
その名の通り
妊娠中期(15週以降)
に受ける検査です。
今回ぽこ家が受けたFMFコンバインド・プラス検査は
- 初期精密超音波検査(エコー)
- 初期母体血清マーカー検査
の組み合わせ。
名前の似ている初期母体血清マーカー検査は、中期母体血清マーカー検査(クアトロテスト・トリプルマーカー検査)とは調べるホルモンが違う別物の検査です。
検査でわかる染色体異常や疾患
これらの検査は、採血によって行われます。
そして、この検査でわかるものは以下の3つ。
- 21トリソミー(ダウン症)
- 18トリソミー
- 神経管閉鎖障害
ネットで調べると3番目の部分が「開放性神経管奇形」と書かれていることが多いですが、これは以下全てが神経管閉鎖障害の中に含まれるものみたいです。
- 開放性神経管奇形
- 二分脊椎
- 脳瘤
- 無脳症
神経管閉鎖障害というのは、脳や脊椎のもとになる神経管がうまく形成されないこと。
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検査するホルモンと陽陰性の判断基準
それぞれ以下ホルモンを調べることで、上述の染色体異常や疾患の確率を算出します。
中期母体血清マーカー検査 | ||
検査項目 | クアトロテスト | トリプルマーカー |
---|---|---|
ホルモン | AFP | AFP |
hCG | hCG | |
estoriol | estriol | |
inhibin A |
4つだから「クアトロ」
3つだから「トリプル」
ということですね。
クアトロは4つのホルモンを検査するので、トリプルに比べて精度は上がります。
もちろん、このホルモンだけで判断するわけではなく、週数や体重、年齢ごとのダウン症の確率などの因子を用いて確率をはじきだします。
異常や疾患がある場合の数値傾向
この検査はスクリーニング検査で絨毛・羊水検査のような確定診断ではありません。あくまで確率を出すもの。コンバインドも同様です。
よって、陰性や陽性という風にはっきりとはわかりません。1/300という風に評価されます。
その算出の過程において、それぞれの異常や疾患ごとに各ホルモン値の傾向があるようです。
まず、各ホルモンの中央値を1とし、それに対して結果がどうかを比較していきます。1.5なら高め、0.5なら低めといった具合です。
たとえば、ダウン症であれば
ダウン症 | |
ホルモン | 中央値に対して |
---|---|
AFP | ↓ 低め |
hCG | ↑ 高め |
estriol | ↓ 低め |
inhibin A | ↑ 高め |
と出る傾向にあり、
18トリソミーであれば、
18トリソミー | |
---|---|
ホルモン | 中央値に対して |
AFP | ↓ 低め |
hCG | ↓ 低め |
estoriol | ↓ 低め |
という傾向で、
神経管閉鎖障害では
神経管閉鎖障害 | |
ホルモン | 中央値に対して |
---|---|
AFP | ↑ 高め |
という傾向があるようです。
とはいえ、あくまで傾向であり、これに当てはまったから異常ありということではありません。
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検査の検出精度
これらの検査の精度は他の検査に比べて高くはありません。
検査 | 精度 |
---|---|
トリプルマーカー検査 | 60% |
クアトロテスト | 75% |
判断基準
判断材料として、各検査会社ごとに設定したカットオフ値より高いか低いかで評価していくそうです。
このカットオフ値はFMCでは、例えばダウン症であれば1/295としていて、これより高いと心配が増えるということになります。
そしてその結果をみて(陽性か陰性かを)線引きするのは患者自身です。
確定診断ではないため、クリニック側はあくまで「ダウン症の傾向があるかもしれません」という可能性を言及するにとどまります。
尚、このようなカットオフ値は以下の染色体異常の出生頻度を参考にしているとのことでした。
検査料金や費用
これらの検査は大体1〜3万円の幅のようです。
FMC東京クリニックでは税込29,160円でした(カウンセリング代等は除く)。
出生前診断の中ではお手頃な価格です。
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クアトロテストやトリプルマーカー検査は古い
正直、カウンセリングではこれらの検査はオススメしていませんでした。その理由は、
- 90年代の手法であり古い
- 精度が低い
- 結果が極端
- もっと良い検査がある
というのが理由です。
先ほどの精度をみると
検査 | 精度 |
---|---|
トリプルマーカー検査 | 60% |
クアトロテスト | 75% |
裏を返せば、40〜25%は間違う可能性があるといえます。
さらに結果が両極端に出ることも、ある意味でこの検査の「弊害」だとも感じます。
たとえば、ダウン症を持っていなくても、先ほどの傾向に当てはまれば、1/12、1/7といった高い数字が出てしまうこともあります。こんな確率を見せられたらすごい心配になりますよね。
また以前に国内であった事例に、1/2,000の確率がでたのに生まれたらダウン症をもっていたということもあったみたいです。
このようにダウン症をもっていたとしても、低い確率が出てしまうこともあるんですね。端的に言えば、
- 偽陽性のリスク
- 偽陰性のリスク
を多くはらむ検査だと理解しました。
まとめ
コストは安いけど精度の低いこの検査は、正直個人的にはあまり意味が無いように思います。
無意味とは言いませんけど、逆に心配を増やす可能性が高い検査だと思うんですよね。
もちろんコンバインド検査も100%ではないので、ほんとうに染色体異常について知りたいのなら確定診断である
- 絨毛検査
- 羊水検査
を受けた方がいいと思います(これらの検査では形態異常はわかりません)。
または高額ですけど、採血でリスクのない99%の精度を誇るNIPTを受けるか(こちらも形態異常はわかりません)。
クアトロやトリプルは受けずに、受けるのならコンバイド検査以上を受けた方がいいと思っていますし、個人的には絨毛・羊水検査+エコーの組み合わせがいいんじゃないかと、コンバインド検査を受けた後ですがそう感じています(この辺は、コストとリスクを各夫婦がどう見るかによりますが)。
FMC東京で検査可能な検査一覧は以下の通り(FMCではNIPTは行なっていません)。
夫
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