不妊治療を受けるようになってしばらくすると、多くの人がAMHという言葉を知ると思う。
AMHとは簡単に言うと卵巣予備能のことで、血液検査により自分の卵巣に残る卵子のおおよその目安がつくもの。
今日は、このAMHについて自分なりの考えを書いてみたいと思う。
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気付いた時にはAMHが0.5以下だった
先日、久しぶりに会った同い年の友人に不妊治療に通っていることを告白された。
2016年に結婚後、すぐに子作りを始めるもののなかなか出来る様子がないので地元の婦人科に行ってみたところ
「35歳で1年子どもが出来ないのなら、今すぐ専門病院に行きなさい!」
と急き立てられ、当初は予定していなかった不妊治療専門クリニックへ行くことになったと言う。
そんなに焦ることなのか・・と、なかば半信半疑で不妊治療クリニックの戸を叩いた彼女。
そして、そこで初めて測ったAMH値が0.5以下だったと言うのだ。
最初はAMHという値の存在すら知らなかった彼女だが、その数値を調べてみると
30代半ばの平均値は3.5前後
AMHが1を切ると早期閉経の場合もある
など、何やら穏やかではない情報ばかり。
また、クリニックの医師からも35歳でこの値なら、とにかくステップアップを急いだ方がいいと助言されたそうだ。
彼女は、
「もう私びっくりしちゃって。帰り道一人で泣いたよ。。」
と私に話してくれた。
そして彼女はクリニックから帰宅後、夫と話し合いをし
- 夫にも積極的かつ早急に不妊治療に参加してもらうこと
- タイミング法や人工授精は多くても3〜4周期にしてどんどんステップアップする
といったことを決めたそうだ。
なぜこれらの知識をもっと早く知ることができないのだろう?
AMHの値と妊娠率はイコールではない。
AMHの値が平均値だからといって安心するべきではないし、ゼロに近いからと言って妊娠を諦める必要もない。
また、不妊の原因や要因はAMH以外にもたくさんあるもの。
ただ、AMHの値を知ることで
- 妊娠を目指す時期を早めに設定した方がいいか?
- ステップアップは急いだ方がいいか?
- 不妊治療がいつまでできるか?
といった目安にはなるはずだ。
つまり、いざ子供が欲しいと思った時に自分の卵子はどのくらい残っているか、おおよその時間軸のイメージを掴むことが出来ると思うのだ。
持っている卵子の数だけは、どんな最新で高度な医療技術を用いても変えることは出来ない。
だから、私は思う。
この値ってもっと早くから知っていてもいいのではないか?
友人だけではない。
私も実年齢よりも低いAMH値なので、その事実を知った時には素直に怖かった。ネット上にも
「初めて測ったら低くて驚いた」
と、同じような思いの人が多い。
そしてみんな感じるのだ。
「もっと早く知っていれば・・・」
と。
不妊治療の医療機関でもAMHの値が注目され始めたのは近年のことなので、
「なぜ10年前に教えてくれないんだ!」
と憤ることは出来ないかもしれないが、これからはもっともっとこの値を知ることが出来る機会の普及を急いだ方が良いと思う。
子供が出来ない
__↓
不妊治療に通う
__↓
AMH値を知る
という流れではなく、
若いうちからAMHの値を知る
__↓
結婚や妊娠など人生設計がよりクリアに描ける
というのがこれからの時代のあるべき流れだと思うのだ。
そうすれば今よりも不妊に悩む女性が少なくなるのではないだろうか。
そのために、
- 希望すれば健康診断でAMH測定も可能
- AMH測定を保険適用に
- 簡易的な測定方法やキットの開発
などを真剣に考え始める時期ではないか。
(例えば、自宅でできる簡易採血キットを開発し、提携のクリニックなどの分析リソースを使って数千円でできる仕組みを作るとか。そこに精液検査キットも付随するプランもあれば、夫婦で取組む意識を初期段階でセットできる良いきっかけにもなるのではないか?)
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AMHを若いうちに知ることの問題点(デメリット)
早いうちにAMH値を知っておくことは多くのメリットがあると思う一方で、仮に「自分のAMHを若いうちから知る」ことが出来る時代になったことを想像した時、デメリットも出てくると考えられる。
例えば、
結婚に際しAMH値証明の提出を求める
という輩が出てきたり。
卵子数を推定するこの検査が、結婚する女性を選別するような過剰反応的な「AMHハラスメント社会」を生み出さないとも言えないのではないだろうか。
逆に早く知れることでAMH値が低ければ、
早めに卵子をたくさん凍結しておこう
と対策を講じる人が増えるかもしれない。
あらかじめ凍結することは個々人の考え方であって問題点とも言えないと思うが、凍結したから必ず妊娠できるということでもない。
変に安心してしまうことで、婚期を逃したり、仕事を優先して結果的に高齢妊娠に至ることで、身体的負担やリスクを増やすことに繋がってしまう可能性もあるのかもしれない。
AMH値を知ることのメリットは大きいと思うが、その一方で起きうるデメリットについてもしっかりと考えておく必要はありそうだ。
日本は妊娠への理解や認識が低い?
それにしても、私を含め私たちは妊娠の理解や認識が先進国の中では低いように思う。
現代の性教育には不妊治療のことも多少教えられるらしいが、私たちの時代は性教育といえば「避妊」であり「子どもを授かること」とは真逆だったように思う。
これからの時代は今よりももっと多種多様な考え方・生き方が認められていくことで、さらに晩婚晩産化が進むだろう。
そうした社会の中、分かりやすく言ったらピンクリボン運動くらいに、妊娠や不妊治療の知識を広めてもいいのではないか?いくべきではないか?とこの頃心底思う。
もちろん、知っておくべきことはAMH値だけではない。
妊娠適齢期についてはもちろん、子宮筋腫や内膜症など子宮の疾患について、また乳がん検診など、
「自分の身体を正しく知り予防する」
ことや、その前提として
「定期的に婦人科に通うことが当たり前」
にすること、そして
「妊娠〜出産は奇跡的な出来事」
ということなど、もっともっと周知されるべきことはたくさんある。
そして、こういった事実認識機会の普及や施策こそが、この国の本当の意味での女性の総活躍を支え、ひいては少子化を食い止める一助になるとも思う。
来年には「不妊治療」にフォーカスしたドラマも始まるという。
まずはこういった所からも、AMHを始め知られざる妊活(不妊治療含む)の内幕が広く周知されることを願うばかりだ。
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東京都内でAMH検査単体で検査が出来るクリニック
都内でAMH単体で検査ができる医療機関をいくつか調べてみました。この他にもあるかもしれませんが、わかる範囲で記載しています。
医療機関名 | 最寄駅 | 金額(税込) |
---|---|---|
杉山産婦人科 | 東京駅 | 10,800円 |
浜松町ハマサイトクリニック | 浜松町駅 | 7,560円 |
はらメディカルクリニック | 代々木駅・千駄ヶ谷駅 | 7,560円 |
広尾レディース | 恵比寿駅 | 6,480円 |
六本木レディースクリニック | 六本木駅 | 6,480円 |
医療機関によっては別途初診料がかかる場合もありますので、受診の際は直接ご確認ください。
妻
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