一般不妊治療助成金制度を設けている都道府県を電話して調べた結果。意外に少ないことが判明…

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不妊検査にかかるおおよその費用って知ってますか?

 

不妊検査とは、主に

  • 超音波検査
  • 血液検査
  • ホルモン値検査
  • 子宮卵管造影
  • 子宮鏡検査
  • AMH(卵巣予備機能検査)
  • 抗精子抗体
  • フーナーテスト
  • 精液検査

等を調べ、妊娠を妨げる原因があるかどうか調べるもの。

不妊治療で治療を始める前にまずこれらを検査するのが一般的です。

答えは・・

 

平均3〜6万円

 

検査には健康保険適用内のものと、自費診療のものがあります。

正直・・けっこう高額ですよね。

今回はこういった検査(一般不妊治療)への助成金の有無について、都道府県ごとに調べてみたのでその結果を書いてみたいと思います☺

前提
今回、広域自治体(都道府県)としての助成があるかどうかを調べました。広域自治体としての助成はなくても、市区町村として助成制度を設けているケースも多くあります。市区町村としての助成制度の有無は本記事では取り上げておりません。あくまで広域自治体としての助成金の有無に絞っております。

 

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東京都ではその費用の助成が始まった

不妊治療のスタートが遅れてしまう理由に、

 

  • 不妊検査の費用がいくらか分からない
  • 高額なイメージ

 

というのがあるそう。
※2017年9月ルナルナ調べ

 

確かに、

 

もしかしたら、このまま自然にタイミングを持っていたら出来るかもしれない

 

と、自然妊娠の可能性が絶対にないとは言えない中、最初から数万円の出費ってかなりハードル高いですよね・・

自分の経験を思い返してみても、不妊治療クリニックに興味はあっても費用の具体的イメージが出来ずに数ヶ月足踏みしていました。

そんな、夫婦の「不妊治療のファーストステップへの足踏みや躊躇」を憂慮してか、東京都は2017年10月から特定不妊治療(体外・顕微授精)のみならず、これらの検査を含めた一般不妊治療への助成をスタートさせました。

【一般不妊治療とは】

不妊検査、タイミング法、薬物療法、人工授精など

もともと市区町村主導の助成は場所によってありましたが、都としても都民一律に助成を始めたんです。

この助成を受けるには、

 

  • 平成29年4月1日以降に不妊検査を受診した方
  • 検査開始日における妻の年齢が35歳未満の夫婦であること

 

等々要件はあるものの、その内容は

 

保険医療機関での不妊検査及び一般不妊治療に要した費用について、夫婦一組1回に限り5万円を上限に助成される

 

というもの。

5万円もあれば最初の検査にかかる費用のおおよそをまかなうことができると思うので、この助成は大きいですよね。

一般不妊治療に東京都から助成金!条件や対象となる検査や期間、申請方法等まとめてみた

2017年9月2日

 

東京をのぞく、全国46道府県の一般不妊治療助成は?

体外受精以上が対象となる「特定不妊治療」への助成は国主導で行なっているので、条件を満せば全国一律で助成を受けられますが、現時点で国主導での「一般不妊治療」の助成はありません。

つまり、一般不妊治療への助成は都道府県以下の自治体主導に留まっているのが現状です。

先述の通り、2017年10月から「東京都」は一般不妊治療への助成もスタートさせましたが、では東京都以外ってどういう状況なのって気になりません?

ということで、道府県の助成金の有無を調べてみました📞

 

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結果は都道府県によって超まちまち・・!

結論から言うと、

47都道府県中、一般不妊治療への助成があるのは

 

  • 愛知県
  • 石川県
  • 岐阜県
  • 京都府
  • 埼玉県
  • 佐賀県
  • 静岡県
  • 東京都
  • 鳥取県
  • 広島県
  • 福井県
  • 山口県
  • 和歌山県

(五十音順)

 

13都府県でした。

※うち東京都と福井県、山口県の一部助成以外は府県が市区町村に予算をつけ、市区町村が窓口となって助成を行なっているようです
※高知県は県が主導していますが、全ての市町村でその助成を受けられるわけではないようです

これって、

 

多い?

少ない?

 

(今回は「都道府県」として一律の助成を調べています。上記以外の県では、お住まいの市区町村によって助成がある場合と無い場合があるようです。)

 

助成内容を見てみる

PC

一言で一般不妊治療助成といっても、その内容はまちまちでした。

内容まとめると、

都道府県 助成内容 助成金額 主な条件
愛知県 人工授精 自己負担額の1/2
(上限4.5万円)
法的な婚姻関係。妻43歳未満。世帯所得制限あり。
石川県 一般不妊治療 自己負担額の1/2
(上限5万円)
法的な婚姻関係。住民登録あり。医療保険加入。世帯所得制限あり。
岐阜県 市区町村によって異なる
京都府 不妊治療・人工授精 自己負担額1/2
(上限10万円)
住民登録。健康保険等。
埼玉県 不妊検査 上限2万円 法的な婚姻関係。妻が43歳未満。住民登録あり。夫婦共に検査を受けること。
佐賀県 人工授精 上限3万円 法的な婚姻関係。妻43歳未満。住民登録。世帯所得制限あり。
静岡県 市区町村によって異なる
東京都 検査及び一般不妊治療 上限5万円 婚姻・事実婚。妻35歳未満。住民登録あり、夫婦共に検査を受けること。
鳥取県 不妊検査 保険適用外となる
費用の1/2
(上限1.3万円)
婚姻後3年以内の夫婦。妻43歳未満。住民登録あり。世帯所得制限あり。
人工授精 費用の1/2
(上限10万円)
法的な婚姻関係。住民登録あり。世帯所得制限あり。
広島県 検査及び一般不妊治療 費用の1/2
(上限5万円)
法的な婚姻関係。妻35歳未満。住民登録あり。
福井県 検査及び一般不妊治療 費用の1/2
(上限5万円)
婚姻3年以内の夫婦。妻40歳未満。住民登録あり。
山口県 検査及び一般不妊治療 それぞれ年度あたり
上限3万円
法的な婚姻関係。医療保険加入。世帯所得制限あり。
和歌山県 検査及び一般不妊治療 上限3万円 法的な婚姻関係。住民登録あり。医療保険加入。世帯所得制限あり。

※申請方法は、都府県により窓口が異なります
※助成期間や回数、詳しい条件は確認ください
※2018年7月現在の情報

と、こんな感じ。

助成金の上限額や妻の年齢制限、所得制限の有無など、条件については割とばらつきがある印象。

特に妻の年齢は35歳〜43歳と幅がありますね。年齢の区切りが、その自治体の不妊治療への考え方を反映しているのかな。

中でも印象的だったのは鳥取県。

 

「子育て王国」をうたっているだけあって、助成内容が手厚い

 

鳥取県は47都道府県中で一番人口の少ない県。したがって人口流出を食い止め、さらに移住者を増やす目的もあるのかもしれません。

逆に意外だったのは大阪や福岡などの大都市が府県としては助成を行っていないこと。

てっきり人口の多いところほど助成が充実してるのかなという先入観があったのですが、府や県主導の助成制度はないようです。

もっと言うと大阪府は市区町村でも助成をしているところはほとんどないそうです。

 

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検査及び一般不妊治療の助成はもっとされるべき?

地方公共団体が一般不妊治療の助成を行う目的は、

 

  • 早期に検査をしてもらう
  • ステップアップしてもらう

 

ことで、適切な治療を早期に受ける機会を促し、結果的に不妊に悩む方を減らすことが目的と言えるんじゃないでしょうか。

これによって少子化解消の一助にもなり得ると考えているのだと思います。

早く始動できることで、一般不妊治療での妊娠もより期待できますし、体外受精や顕微授精という高額な高度不妊治療にステップアップしたとしても、早期始動によって「時間」というアドバンテージを有効に使えると思います。

 

そういう意味では自治体によって助成の有無や差があるのではなく、国全体として「不妊治療への考え方」を改める時期にきているんじゃないかなと思いますけどね。。

 

一般不妊治療の助成金と一体で周知させる仕組みが必要なのでは?

せっかくこういった制度を設けているのなら、広く周知されるべきでこの制度が治療者の背中を押す心強いものになるべきなのは言うまでもありません。

この助成金を求める人(検索する人)というのは、

 

  • すでに病院に通い始めてアクションを起こしている人
  • 不妊の可能性がチラつき始め医療機関を選ぼうしている人

 

であり、タイミング法で頑張っている方々が大半だと思います。

 

ここからは私見ですが、

「自分たちの状況に気づいてから早い段階で検索することでこの助成金に辿り着く」

のは勿論ですが、

そうなる以前からそもそも自分達にその可能性があるかもしれないという啓発を教育へ織り込んでおくことで、この制度がより効果的で意義あるものになっていくのではないかと思っています。

繰り返しになりますが、そのためには「不妊かな?」と悩んだ方が検索して初めて助成金のことを知るのではなく、自治体からもっと発信してもいいのではないかと思います。

そういう自治体のフォローがあることを知っておくだけで子供を欲する中で疑問が湧いた際、不妊治療という選択肢をよりスムーズに想起・連想できることに繋がるのではないでしょうか。

そういった枠組みがあれば最短距離を指し示す道しるべの一つになるのかなと(正直、ベルタ葉酸とかエレビットの妊活CMよりこっちの発信のほうが必要じゃないって思う。もちろん企業CMなんで分類が違いますけど)。

と、そんな風に思っております。

一般不妊治療に東京都から助成金!条件や対象となる検査や期間、申請方法等まとめてみた

2017年9月2日

東京都の不妊治療助成金まとめ!適用条件や金額、年齢による回数など調べてみた

2018年10月3日
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1983年生まれ。約4年の妊活〜不妊治療を経て顕微授精による移植で2018年に出産しました。経験から不妊治療を取り巻く環境の課題軽減、当事者支援に取り組んでいます。
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