【埼玉】不妊治療クリニックの妊娠率等の実績開示状況を調査。公表成績を年齢別に並べてみた

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今回は埼玉県を調べてみました。

医療機関の実績開示状況
これまでの調査結果一覧

本記事は、2019年5月下旬に調査を実施し、

 

  • 公表しているクリニックは?
  • 妊娠=胎嚢確認としているのは?
  • 年齢ごとに妊娠率を並記してみた

 

という観点で構成しています。

もしかすると漏れや誤りがあるかもしれませんが、その際はそっとDMかコメント欄よりご指摘いただけると有難いです。

業界をなんとなく俯瞰する一つの視点としてお読み頂けると幸いです。

では行きましょう。

注意
クリニックのウェブサイトは更新される性質につき、本調査時点の表示・表現、結果と必ずしも一致しない可能性がありますこと予めご理解ください。

 

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公表しているクリニックは22%

2019年5月現在、日本産科婦人科学会登録の「体外受精・胚移植の臨床実施に関する登録施設」は26となっており、(病院を除いた)いわゆる専門クリニック(産婦人科含む)で絞ると、実質対象となるのは18となりました。

この18院全てのウェブサイトを調べるにあたって基準としたのは、

 

  • 治療成績の特設ページを設けている
  • 又はその他ページで実績についてある程度スペースを割いている

 

と特設ページの有無、あるいは無くとも他のページである程度実績についてスペースを割いているクリニックを抽出しました。

この基準で調べたところ、治療実績を公表しているのは18院中、

 

4院(22%)

 

でした。

以下が公表(成績に言及)している4クリニックです(日産婦名簿記載順)

  1. 吉田産科婦人科医院
  2. 大宮レディスクリニック
  3. さくらレディースクリニック
  4. ウィメンズクリニックふじみ野

 

公開情報の内容や表現方法は様々

もちろん公表しているといっても詳細データを全公開しているわけではなく、あくまで

 

  • 妊娠率
  • 妊娠数

 

を、

 

  • 年齢別
  • 年代別
  • 誘発方法別(自然〜刺激)
  • 受精方法別(人工授精〜体外受精)
  • 胚グレード別
  • 年・年度別  などなど…

 

といった角度やメッシュから自由に算出していて、基礎となる生データのフォーマット自体は同じなんでしょうが、公表にあたってはその表現方法は様々というのが現状です。

 

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妊娠の定義を「胎嚢確認」と明示しているクリニック

妊娠の定義を「胎嚢確認(臨床妊娠)」と明確に記載しているクリニックが4院の中でどれくらいあるのかを調べてみました。

結果は、

 

  1. 大宮レディスクリニック
  2. ウィメンズクリニックふじみ野

 

2院と、ちょうど半分でした。

 

年齢ごとの妊娠率を比較

表現の方法が一緒ではないので、前提を揃えて公平に比較するのは難しいですが、記載のある年齢や年齢帯の妊娠率または妊娠数

 

  • 妊 娠:心拍/胎嚢確認 > 陽性判定
  • 種 類:体外 > 顕微 > 人工授精 >
  • 誘 発;刺激 > 自然
  • 段 階:凍結胚 > 新鮮胚
  • 分 割:胚盤胞 > 分割胚 >
  • 質評価:合計 > 最良 > 良好 >
  • 個 数:1個 > 2個
  • 期 間:最新(含む) >>>
  • 妊娠率:移植 > 採卵 > 患者 あたり

 

と、各CLのウェブサイトに上記左側からの項目記載がある条件での妊娠率または妊娠数を年齢や年齢帯ごとに並べてみました(上記各項の左から最初にヒットした条件における妊娠率をピックアップし並べたもの)。

埼玉の不妊治療クリニックの妊娠率実績一覧
上記比較は既述の通り、前提条件や妊娠の定義が一緒ではありませんので、単純に比較できないことにご注意ください。

 

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まとめ

4院の22%って開示率めっちゃ低いですね。

現時点までで調べた中ではダントツぶっちぎりのワースト1位です。

都道府県 開示率
福岡 83%
神奈川 62%
大阪 59%
愛知
東京 41%
宮城 40%
北海道 37%
埼玉 22%

ちなみに4院の中の、吉田産科婦人科医院と さくらレディースクリニックは同じグループです(グループでくくれば3院となり17%位になるという…)

調べた限りでは、今のところ埼玉県は開示率「超低」ですね。

毎度同じ「まとめ」

データの開示はクリニック選びの一つの参考にはなるものの、妊娠〜出産に至るには様々な要因があるため、一概に妊娠率が高いクリニックがイコール必ずしも自身に合うということではなく、それはまた別の話であることを認識しておく必要があると考えます。

さらにいえば、クリニックの自主性に任せたデータ開示は恣意的になっていないとも言えないですし、また中途半端に表層的なデータ開示にとどまることで、悪くいえば「妊娠率が高いか低いか」と読み手側の選定基準を極端に「単純化」させてしまわないかと危惧する部分もあったりします。端的に丸められた結果だけでなく、その結果の過程(根拠)を確認できる情報もセットされていることが大事かなと。

ということで、一箇所で比較検討できるように学会が詳細データを公開してくれると良いんですけどね。公的機関による開示なら公正でしょうし(と信じています)。

次回、千葉やります。

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【千葉】不妊治療クリニックの妊娠率等の実績開示状況を調査。公表成績を年齢別に並べてみた

2019年5月26日
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約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。
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