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バセドウ病とは?
バセドウ病とは自己免疫疾患の一つで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気。
喉仏の下に、全身の細胞を活性化させるホルモンや、ウイルスなどから身体を守る抗体を生み出したりする甲状腺というものがあるのだが、その甲状腺が過剰にホルモンや抗体を分泌してしまうことで、いろいろ厄介なことが起きる病気。
この逆で甲状腺ホルモンの分泌が極端に少ない病気を「橋本病」という。
原因は?
本来、外部からのウイルスなどを攻撃するために抗体を生み出すはずが、自分を攻撃する抗体を作ってしまうことが原因とされているが、完全には解明されていない。
症状は?
- 首周りが腫れる(びまん性甲状腺腫大)
- 眼球突出
- 多量な発汗
- 疲れやすくなる
- 体重減少(ふつうに食べていても)
- イライラ
- 手や指先の震え
- 下痢
といった症状が見られる。
バセドウ病自体は治る病気でもあり、生命をおびやかすほど危険な病気というものではない。
発症割合は?
女性の200人に1人がこの病気を持つとされる。女性の発症割合が多く、男女の発症比率は1対4と女性の発症率は男性の約4倍となっている。
国内のバセドウ病を含む甲状腺疾患にかかっている人は240万人にものぼると言われている。ただ、治療を行っている人はわずか45万人程度しかいないという現状もあり、このことから多くの人は気付かないか(別の病気と誤認など)、ほったらかしにしているようだ。
発症年齢は?
30歳代前半が多く、20歳代の発症も少なくない。
バセドウ病のチェックポイント
□怒りっぽくなった。
□落ち着きがなくなった。
□真冬でも汗をかく。
□脈拍が速く、動悸を感じる。
□少し動いただけで息切れする。
□常に空腹を感じる
□食欲が旺盛になった。
□手のひらに多く汗をかく。
□疲れやすく体力が落ちたと感じる。
□食事をとっても体重が減る。
□以前より暑がりになった。
□手が小刻みに震える。
□便の回数が多い。
□便秘が解消している。
□眼が出てきた。
上記のチェックポイントに複数あてはまる場合はバセドウ病を疑った方が良い。
バセドウ病と妊娠や流産との関係は?
「バセドウ病のせいで妊娠しにくい」
といった情報を目にする。ただ、バセドウ病だから妊娠しにくいという科学的根拠はない。よって、バセドウ病だからといって妊活を避ける必要はない。
「バセドウ病が原因で流産するって聞くけど?」
甲状腺ホルモンが過剰な状態で妊娠した場合、 流産や早産の可能性が高くなるとされている。
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バセドウ病の治療方法は?
治療方法としては、内服薬治療、放射性ヨウ素治療(アイソトープ)、手術療法の3つとなる。
①薬による治療(内服薬治療)
抗甲状腺薬(メルカゾール、チウラジール、プロパジールなど)を規則的に服用する治療方法。
この薬は、甲状腺ホルモンを過剰に分泌するのを抑制する薬。適切な量を適切なタイミングで服用していれば数ヶ月で症状が改善する人が大半であり、これを続ければ1〜3年で完治する場合もある。
妊娠中の服用について
抗甲状腺薬のチウラジールやプロパジール、ヨウ化カリウム丸の服用が中心となる。
妊娠中の薬の服用については、不安を感じると思うが、バセドウ病の方が妊娠した場合は、妊娠中の甲状腺ホルモンを正常に保つことが最も重要。
ただ、抗甲状腺薬のメルカゾールについては、妊娠の初期に内服している場合にのみ、ごく稀に胎児の頭皮の一部が欠損するという報告があるため、必ず医師に確認をしよう。
チウラジールやプロパジール、ヨウ化カリウム丸については、現在のところそのような影響はいわれていないが、いずれの薬にしても、必ず処方される前に医師に確認することが大切だ。
副作用は?
・かゆみ、湿疹
→飲み始めて数週間で出る場合がほとんど。10人に1人くらいの割合で出るといわれ、赤い発疹が出た場合は注意が必要。医師に必ず相談のこと。
・肝機能異常
→2週間から3ヶ月目くらいの間で起きることが多い。AST、ALTが高くなるのみのタイプと、黄疸のでるタイプの2つに分かれる。メルカゾールよりもチウラジール(プロパジール)で認められることが多い。
黄疸の出るタイプやAST、ALTがかなり高値になる場合は中止が必要と考えられ、必ず医師に相談のこと。
・無顆粒球症状
→白血球のなかの顆粒球という細菌を殺す細胞がなくなってしまう症状。頻度は1000人に1人とごくまれな症状。薬を飲み始めてから2週間から3ヶ月以内に起こることが多く、まれにそれ以後に起こる場合もあるので注意が必要。
これは非常に危険な副作用で、放置していると命にかかわることもある。症状は強いのどの痛みと高熱で、単なる風邪と間違って放置しないよう注意が必要。このような症状の場合は即医師に相談のこと。
②放射性ヨウ素治療(アイソトープ)
放射性ヨウ素を服用し、甲状腺の細胞の数を減らす治療方法。
甲状腺細胞の数の減少により、分泌される甲状腺ホルモンの量も比例し少なくなる。服用後、2〜6カ月で甲状腺ホルモンの分泌は減少する。この治療方法は薬に比べ早く治る特徴がある。
ただ、欠点もある。甲状腺細胞が減りすぎて、逆に甲状腺の機能低下につながる場合がある。その割合は約3割の人に機能低下が見られるというデータもあり。
残念ながら、これを完全に防ぐことはいまのところ困難である。
しかし甲状腺の機能低下は、甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS、チロナミンなど)を服用することで簡単にコントロールが可能。甲状腺ホルモン薬自体には副作用はなく、むしろ機能低下の中でホルモンを調整するこちらの治療の方が、ずっと楽で安心だと言われている。
③手術療法
甲状腺自体を切除し治療する方法。ただ、甲状腺をどれくらい切除すればその患者の適正になるのかは、個体差もあるため見極めが難しい。多く残せば再発し、多く切除すれば甲状腺機能低下を招く。
再発し何度も手術を行うことは身体的にも辛い。よって手術を選択をする場合には、全摘出する方が良いという意見も多い。全摘出により確実に甲状腺機能は低下するが、さきほど述べた通り、甲状腺ホルモン薬でコントロールする方が、はるかに楽であるため、全摘出がよいとする意見が多い。
もちろん、必ず医師と相談の上選択することは言うまでもない。
※参考資料:伊藤病院公式HPより
夫
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