採卵日の話です。
採卵後、培養士より採れた卵について、いろいろと説明をしてもらいましたのでシェアします。
初の採卵なのでこういった説明が他院でも行われているか不明ですが、こうやって時間をかけて説明してくれる姿勢は非常にありがたいですね。
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精子の結果について
さらっとですが、精子の結果についても触れられます。
今回の精子の結果はというと、
- 運動率:77%
- 精子数:約1.1億匹
と運動率は前回より+7%とあまり変わりませんが、精子の数については前回の倍くらいになっていました(1mlあたり約1200万匹位)。
これはやはりクロミッド(=セロフェン)服用の影響でしょうか?
どちらにせよ数が増えていることは良いことです。
今回は、正常形態率(クルーガーテスト)の結果についてはなぜか触れられませんでした。
採れた卵子の数と状態について
採卵数は10個でしたが、そのうち1個が変性卵だったため、結果的に9個となりました。内訳は、
M2 :3個
M2?:1個
M1 :2個
GV :3個
となっており、この9個の卵の写真を見ながら培養士より説明を受けます。
卵の成熟度や形態、特徴について
採れたGV期卵子、M1期卵子、M2期卵子の詳細と卵の状態について説明を受けました。
まずGV期卵子には卵子の中にGV核というものがあり、このGV核が消滅するとM1期卵子となります。そして極体(PB)というものが現れたらM2期卵子となるとのこと。
詳しいことはわかりませんが、要は
- M2期卵子→成熟卵
- M1・GV期卵子→未成熟卵
であり、成熟しているかどうかの判断は基本的に
- 極体が見えれば成熟
ということです。
卵子の右側に見える小さな塊が極体です。指輪の宝石の部分みたいなところです。
採卵画像をプリントでももらえます↓
22個の卵胞に針を刺し、10個の卵子を回収するも、うち1個は変性卵で使用できず、結果9個採卵ができたということで、卵子回収率は41%(=9➗22)となっています。
裏を返せば59%の卵胞は空胞(変性卵含む)であるということです。
写真1の卵子については極体がはっきりみえており成熟済み。ただ「PVS広め」と言われました。
PVSとは透明帯(卵子の周りにある細胞の塊群)と卵子までの距離のことらしく、ネットで調べると以下のような情報がありました。
「PVS」とは「囲卵腔」のことで、卵細胞質と透明帯の間にできる隙間の部分をいいます。普通、未熟卵にはPVSが無く、透明帯と細胞質が隙間なくぴっちりとうまっています。この状態から、成熟卵になると「第一極体(上側にあるぽちっとしたもの)」が出てきて、同時に隙間(PVS)ができてきます。
※Yahoo知恵袋より引用
培養士曰く、PVSが広めだと、その分精子の泳ぐ距離が長いので、「ふりかけ式」の体外受精の場合には妊娠率向上の観点から「PVS広めの卵子」はあまり採用したくないとのことでした。
ただ我々は直接卵子に精子を注入する顕微授精なので関係はありません。
また先ほどと同様にネットで「PVS広め」の影響についても以下のような記載がありました。
さて、PVSが広いからといって必ずしも卵子の質が悪いということはいえません。ひとつ、考えられるのが、細胞質が萎縮していたり、もともと小さな細胞質だった場合には、必然的にPVSは広くなってしまいますよね。この場合、細胞質の状態があまり良くないことが考えられます。しかし…そもそも、そういった卵子が正常受精をするかといえば、しないように思います。
※Yahoo知恵袋より引用
PVS広めだからといって一概に卵子の質が悪いとは言えないながらも、質の良くない卵子の判断の一つに「PVS広め」もあることを示唆しています。なので、心配しすぎる必要はないけれど、手放しで安心かというとそうでもなさそうです。
(あくまでYahoo知恵袋の回答コメントの引用であることご了解ください)
写真2の卵子も、すきまが広めとのこと(素人眼にはよくわかりませんが)。
写真3の卵子は、特段問題なし。
写真4の卵子は、極体はあるようなるも、フラグメント(細胞のかけら)が多く目視で確実に極体かどうか判断できない。ただ、後ほど極体を確認する以外の成熟確認方法があるので、その方法で最終的に確認するとのこと(具体的確認方法は不明)。
写真5〜9の卵子は、未成熟卵なので翌日の昼まで成熟を待つとのこと。
成熟を待てるのは採卵翌日のお昼まで
未熟卵の成熟を待つ期間は決まっています。
原則採卵翌日の昼頃まで成熟を待ちます。それまでに成熟しなければ断念となります。
「もうちょっと待てないんですか?」
と聞くと、
「それ以上待って、仮に成熟しても胚盤胞まで行くことはほとんどないです。そういった卵は力の無い卵なんです」
とのこと。
ただ成熟すればいいのではなく、適正な期間内に成熟することが大事なんですね。
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受精確認について
受精確認は、精子の核と卵子の核の計2つが卵内に認められれば受精となり、培養を継続となります。
こんな感じで核が二つみえれば受精です。
核同士がくっつく「1細胞期」。
二つに分割する「2細胞期」。
4つに分割する「4細胞期」。
8つに分割する「8細胞期」
「Compaction」と呼ばれる文字通り圧縮(融合)が始まります。
桑の実のような形の「桑実胚」となります。
そして初期胚盤胞となり、
念願の「胚盤胞」となります。
以下表の通り、胚盤胞になるには7日〜を要します。
胚盤胞になれば無事凍結となります。
卵の状態によってはアシステッドハッチングをせずに凍結をすることもあるとのこと(つまりアシステッドハッチングをしてから=脱穀胚盤胞以降に凍結することが主流ということっぽいです)。
採卵のタイミングについて
今回、主席の卵子が採れたので、採卵のタイミングは間違いなかったとのこと。
あれだけこまこま診察するだけありますね。
その後、NAC日本橋のこれまでの治療実績データを用いて、特に成熟による影響などを説明してもらいました。
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採卵時の成熟度における受精率と良好胚盤胞率
採卵時の成熟度における受精率でいうと、主席の成熟卵子が86.2%なのに対し、GV卵子は64.6%と20%近く開きがあります。
また受精後、良好な胚盤胞に成長する割合は、主席の成熟卵胞が55%なのに対し、GV卵子は8.3%と6.6倍もの開きがあるようです。
採卵時成熟度の違いによる妊娠率と生産率
受精率や良好胚盤胞率ではGV卵子は良くない結果でしたが、妊娠率と生産率で見ると真逆の結果となります。
妊娠率でみると、主席卵胞のM2卵子が55.4%なのに対し、小卵胞GV卵子はなんと55.2%とほぼ変わりません。
また生産率をみると、主席卵胞のM2卵子が39.7%に対し、小卵胞GV卵子はなんとそれを上回る40.3%という驚くべき結果が出ています。
ちなみに生産率で一番成績が良いのは、小卵胞のM2卵子の40.5%。
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胚盤胞凍結日別の妊娠率
いつ凍結するのが妊娠率が高いかというと、
採卵後5日後が70.4%と最も高いです。
それに比べ7日目に凍結した胚盤胞の妊娠率はというと、33.3%と半分以下となっています。
こういったデータをまとめると、
- 受精・胚盤胞率では主席のM2卵子が優位
- 妊娠・生産率では小卵胞のM2・GV卵子が優位
- 妊娠率は採卵5日後の凍結胚盤胞が良い
といえそうですね。
さらに詳しいことは以下記事を参照ください↓
受精確認と凍結確認のスケジュールについて
その後、受精と凍結確認のスケジュールの説明を受けます。
- 受精確認:採卵2日後14時〜
- 凍結確認:採卵8日後15時〜
という風に2回電話をしなければなりません。
NAC日本橋 培養室の直通電話番号
電話は培養室直通となります。ちなみに電話番号は、
03-6262-5752
です。
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まとめ
とりあえず、9つの卵子がとれ一安心です。
NACでは採れた卵の状態を画像やデータを用いて、どういう状態かわかりやすく説明してくれるので、とても安心感がありますね。
医者のように専門知識を持つ必要はないけど、だからといって丸投げではいつか無駄な後悔の念を抱かないとも限らない。
なのでこういった説明によって、大まかな流れというか、仕組みというか、事実というか、ざっくりとでも知っておくことは、納得感をもって治療を行えるので精神的にもとても良い影響を与えてくれると感じます。
そういった海路図というか羅針盤を見せてもらいながら、NAC号という大船に安心して乗っていきたいと思います。
夫
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ぽっ子さん、こんにちは。
Twitterでは、いつも優しい言葉ありがとうございます!
2回目の採卵後、復習がてら読ませていただきました。
「PVS広め」!!
前回わたしの成熟卵たちもそうでした!
凍結できた1つもそうでした。
胎嚢確認までもいかなかったので、生産までの関係性はわかりませんが、胚盤胞にはなれそうですよ(笑)
でも、自然では難しいということなんですね。勉強になります。
前回は、これらの%と照らし合わせて自分はどうだ?!とにらめっこしてました。
でも治療が進んでいくにつれ、データはデータ。自分は自分。と思えるようになったかも(どうだろう…?)しれません。
そうならないと身が持たないのかもしれませんが。
本当にぽっ子さんご夫婦のブログは、いつでも見返せる教科書のように感じています。本当にありがたいです。
そして、ブログを読むたびに、ぽっ子さんご夫婦の元に早く赤ちゃんが来てくれることを本当に願っています。
移植時に体内記憶の本をたくさん読みました。そのなかに、空の上から赤ちゃんたちがどのお母さんの元に産まれるか決めているけれど、「その夫婦が人気がありすぎて、どの子がその夫婦の元に産まれるか決まるのに時間がかかる」だからなかなか授からない。という一節があったんです。
それを読んで、「あぁ、これはぽっ子さん夫婦のことだな」と思いました。(こういう話が嫌いだったら本当にごめんなさい。)そろそろどの子か決まるんじゃないかな。
BT4が良い経過でありますように。
ちびベロさん
ちびベロさんおはようございますヽ(*^^*)ノ
昨日はちびベロさんのコメントで、とても穏やかな気持ちになれました・・!本当にありがとうございます。
わかります。
「PVS広め」にしても「フラグメントあり」にしても、聞くと心配にはなってしまうけど結局私たちが欲しいのは結果だけですもんね。難しいところは気になっても結局全てはわからない。。
結果までの道のりも100人いたら100通り。私も同じく、最近データはデータ、自分は自分を思うようになってきました。(どうだろうw)
今回の移植後なんて特にあまり調べていません。1回目と違い移植後だとほとんど気にせず過ごしていますし!(笑)
検索すると止まりませんもんね。1周回って「できたらラッキーだな・・」くらいの気持ちでいれることも多いです。もちろん落ち込む時はとことん落ち込みますが(TT)
いや〜、私たちが妊娠し無事出産したらどんな気持ちになるんですかね。私たちにとってその価値ってものすごいものすごいものですよね。もしもその後どれだけ育児に翻弄されても、今の気持ちは一生忘れられないと思うし忘れたくないですね。
そういったスピリチュアルなお話、全く嫌いじゃないです。むしろ好きです!嬉しいお言葉、本当にありがとうございます。移植時にそういった本をたくさん読むちびベロさん、素敵ですね。優しいママになるだろうな〜!
ちびベロさんのたまごちゃんも良い結果でありますように。いや、きっと良い結果になります!
ぽっ子さん、スピリチュアル嫌いじゃなくてよかったです。
わたしは不妊治療を始めて、自分自身がなんだか成長出来ている気がするんです(成長なんて大それたものでは無いんでしょうが…)子育てしながら親も成長すると言いますが、不妊治療もそうなんじゃないか、と。
「気づき」って言うんでしょうかね。
うちは結婚して10年になるんですが、旦那の父親がすごい毒親で、色々苦しめられてきました。(今もですが)
そんな環境で子どもは育てられない、とずっとずっと子どもを作ることを先延ばしにしてきたんです。
そして、自分の子どもは欲しいけど、旦那の子が欲しいわけでもない。と思ってました。(ひどい妻ですよね)
義父の血が心の底から嫌だったんだと思います。
そんな中、不妊治療をやっと始めましたが、1年前に旦那が多発性骨髄腫の疑いで通院することになったんです。
結果が出るまでの2ヶ月の間は、地獄でしたね。人生で1番辛かったです。(その後、旦那の病の疑いは消えました)でも、その事で旦那の大切さを実感しましたし、その後から旦那との子どもが欲しいと心から思えるようになりました。
だけどその間には、不妊外来の待ち合いで「みんな子どもが出来ないだけでしょう?こっちは生死かかってるんだよ」とも思った自分がいました。酷いですよね。
でも世の中には、いろんな思いを抱えて生きてる人がいるってことを実感しましたね。
日々、感謝して生きていこうと強く思いました。
そうやって少しずつ、子どもを迎える準備をしているんじゃないか?って思うようになりました。まだまだ足りないことがあるんだろうな、と。
ごめんなさい。すごく脱線しちゃいましたね。
ぽっ子さんの言うように、私たちが子どもを持てた時には…
子どもがグレてもへっちゃらなのかな(笑)
夫婦仲もきっとずっといいはず!
その未来をつかむために、今を頑張りましょう!
ちびベロさん
ちびベロさん・・ とてもお辛かったであろうことを書いてくれてありがとうございます。
大変な過去がおありだったんですね。生死に関わる大変なご病気での通院、想像を絶します。今はそのご病気の疑いが晴れたということで、本当に良かったです。
私は家族の縁が薄く、父親と弟と現在絶縁状態です。昔からトラブルの多い家庭で親戚も一人もおらず、たまに「母と姉がいなくなったら私って1人だな」と怖く感じることがあります。もちろん旦那はいますが、実家の家族の存在ってやっぱりでかいですよね。
そんな実家ですが姉と弟には割と早くからポコポコ子供ができていて。それぞれ自然に3人・2人といるんです。だからたまに、なぜ私だけが?私が実家の毒をすべてもらってしまったんじゃないの?という感覚に取り憑かれてふがいない両親や兄弟に怒りが湧いてくることがあります。もちろん、そんなことはきっと被害者意識なのですがやり場のない怒りに支配されることがあります。
私も、不妊治療で自分が成長してると思いますよ!きっと私にとって必要な時間なんだと。この期間があった場合と、なかった場合の私の人間性は違うんじゃないかなって。もちろん時にはネガティブにどっぷり浸かってしまうこともありますが。
ほんと、自分が「まさか」と思うことに遭遇すると、日々への感謝や他者への想像力が増すと私も思います。もしいずれ子を授かることができても、実家の問題やこの不妊治療期間に学んだことは絶対に忘れたくないと今から感じています。
いろいろな経験を通して成長し続けているちびベロさんだったら、きっときっといいママになります。
人生は経験、そしてその経験をどう乗り越えてきたかだって最近本当に思うんです。
夢を叶えましょうねヽ(*^^*)ノ
ぽっ子さんの「自分が毒をすべてもらってしまった」という思い、とてもよくわかります。
なんで自分ばかり…と思いますよね。
でもきっと、そういう思いを抱えてきた分、断ち切る力、皮肉だけれど生きる力へ繋がっているのかもしれません。
わたしは義父に対してだけれど、結婚式ドタキャンにされたことが今でも許せず、その怒りを原動力に生きてるような気さえするんです(笑)
そういう力もあるんじゃないかな、って思うんですよ。
ぽっ子さんは、孤独に対する不安は、今そこまで来ている新しい家族が和らげてくれるはずです!
わたしたちの想いは、きっと赤ちゃんに伝わってますよね!
「ふんふんそれで?もっと言ってよ。ほんとに来て欲しい?」って焦らしてるように思えてならない!
わたしに聞いてくれたら「ぽっ子さんちなら間違いないよー!絶対!!」って言うのにな。
とにかく、ぽっ子さんのおなかのたまごちゃんに念じてます!
体、くれぐれも無理しないようにしてくださいね!!