妊活の禁欲期間の長さはどれ位が効果的?射精頻度と精子量増減について

 

禁欲期間については、男性女性ともに気になるところではないでしょうか?

以前「オナニーで精子数減少や薄まることはあるか質問してみた。禁欲期間は量や運動率に関係あるのか?」と書きました。

この記事で「頻繁なオナニーによる精子数減少のメカニズム」について個人的推測でざっくりと書きましたが、先月リプロダクションクリニック東京(以後RCT)の説明会に参加し、この部分について詳しく説明を受けたので再度書きたいと思います。

リプロダクションクリニック東京説明会の内容。体外受精の刺激周期採卵〜移植サイクル等

2017年9月30日

 

説明会での精子に関する部分の説明はというと、

 

  • 射精は毎日が理想
  • 仲良し前の禁欲期間は1〜3日で良い

 

ということでした。極論、禁欲期間は無くても良い感じ。

これは、はなおかIVFクリニックで言われたことと同じであり、適度(毎日1回)な射精頻度であれば悪いどころか良い影響をもたらすと言うことでした。

理屈を聞いて「ふむふむ」と納得はしたものの、一方で新たな疑問が湧いてきました。

 

「でも本当にそうなんだろうか?」

 

と。

そんな疑問が湧いた理由と、この理屈が間違っているのではないかと思う持論を書いています。

あくまで何の根拠もない持論です。「信じるか信じないかはあなた次第」以前の話ですので、鼻くそでもほじくりながら「へ〜〜」くらいの感じで読んで頂ければと思います。

ご留意頂きたい点

本記事は筆者の独断と妄想に基づきライトなタッチで綴っています下ネタ(少々下品な表現)が含まれています。したがって治療ステージや男性不妊の方にとっては意図せず不快な思いをさせてしまう可能性がありますこと、予めご留意願います。

その前に、精子&精液が作られるメカニズムをおさらい

ご存知の人も多いでしょうが、まずは簡単におさらい。

 

精子の作られ方

金玉にある精巣の中の

____

びっしりと詰まった精細管の中で

____

原料の精祖細胞が分裂して精子に。

____

精子は精巣横の精巣上体に移動し、

____

そこで成熟して射精を待つ。

 

さらに詳しくいうと、

精子は、精粗細胞→精母細胞→精娘細胞→精子細胞→精子の順に成熟していきます。精母細胞ができてから精子完成まで74日ほどかかるといわれています。
※看護roo!「男性の生殖器の構造と射精のメカニズム|受精のしくみから理解する(1)」より引用

精子ができるまでの大まかな流れはこんな感じですね。

 

ただ射精は精子だけではなく、精液が合わさり初めてできるもの

では精液はどこで作られるのでしょう。答えは、

 

  • 「前立腺」と「精嚢」

 

ここで作られています。

 

精液の作られ方

精子が精液と合流し、射精するまでの流れは以下の通り。

成熟した精子は精管を通り

____

精管膨大部精嚢分泌液と合流し

____

射精管を通って前立腺液とさらに合流

____

膀胱を経由し尿道から発射。

 

英語版ですが、こちらの動画がわかりやすいです↓

 

精液を構成するこの2つの分泌液はそれぞれ役目があります。大まかに言うとこんな役割。

精嚢分泌液
精子の栄養ドリンク
=果糖を含み、精子の運動のエネルギー源になる。子宮の収縮を促す「プロスタグランジン」も含まれ精子の輸送を助ける。
前立腺液
精子のバリア
=弱アルカリ性のクエン酸を含み、酸性の膣内で精子の生存を助ける。

 

ちなみに精子とこれらの構成比は、約70%が精嚢液、約25%が前立腺液、残りの約5%が精子やその他の分泌腺からの液体で成り立っていると言われています。

 

精子の構成比はわずか5%。いくら精子自体が良くても、この二つの分泌液(精液)がないとダメだということですね。

例えるならば、デューク東郷(ゴルゴ13)がどんなに屈強な肉体(精子)を誇っても、M-16というアサトライフル(精液)がないとミッションコンプリートできないみたいな。

 

ちなみにこの二つの分泌液とは別で、有名なカウパー液(尿道球腺液)は尿道から分泌されるものであり、ガマン汁と称される通り、射精の前から分泌が始まります。

そう射精まで我慢できないからガマン汁です(個人的に本当は「ガマン出来へんかった汁」の方がしっくりくるんですけどね〜)。

カウパー液は、射精に備え尿道を適度に湿らせて滑りを良くする潤滑油のような役割を担います

 

WHOが設定する精子&精液の基準値

WHOが設定している精子・精液の基準値は以下の通り。

⬛液量     1.5mL以上
⬛精子濃度  1,500万/mL以上
⬛総精子数   3,900万/全精液量以上
⬛運動率  40%以上
⬛前進運動率  32%以上
⬛正常形態率  4%以上

この基準はWHOが10年に1回のペースで改定しているもの。

この基準は「妊娠できる基準」だと勘違いされることが多いようですが、そうではありません。

この基準の設定方法は、

過去1年以内に妊娠した女性のパートナーの男性の精液を1回だけ調べて下から5%に線を引いたもの

となるそうです。

これだけだと、なんとなく分かる様でわからないですね。もっと詳しくいうと、

1年以内に妊娠した男性パートナーの精液を、良い状態の方から順に並べ、悪い方から数えて5%目にあたる値を基準値としたもの

 

下から5%の値なんですね。

つまり、かなり低く見積もっている基準な訳です。

例えば総精子数は3,900万が基準ですが、これは全世界のサンプル内の順番で言えば下から5%目ということです。

 

RCTが推奨する射精の理想の頻度は?

本題に入ります。

最初に書いた通り、RCT曰く射精頻度の理想は

 

毎日。

 

エブリデイ ヌキヌキ!

Everyday NUKI NUKI!

No NUKI NUKI!
No Life!

 

が理想らしいです。

その理由は以下の通り。

 

  1. 金玉には一定のスペースが必要
  2. 溜めすぎると活性酸素が出る
  3. 毎日1,000万匹が作られる

 

リプロダクション東京の説明会資料(3頁目10項)

 

精子を作るには金玉にスペースがないと新たな精子を作れないそう。工場の製造ラインスペースにまで在庫が積み上がってしまい、製造ラインを稼働させられない、そんな感じでしょうか。

溜めすぎると活性酸素が発生し、精子や精巣を傷つけ質の低下に繋がるとのこと。6畳一間に30人位ぶち込めば酸欠でぶっ倒れる、そんな感じでしょう。六畳一間は1〜2人が快適なスペースです。

一般的に毎日1,000万匹の精子を作る能力が金玉にはあります。外観はみすぼらしくても、中の製造ラインは最新鋭機器で、iPhone最新機種の大量受注にも耐えられる精密工場のようなものでしょうか。

とそんな理由から精子の質の為にも、エブリディヌキヌキを推奨していました。

 

そうは言っても本当に薄まらないの?

理屈はわかってもやっぱり心配ですよね。

 

「毎日ヌイてると精液(の色)が薄くなっているような気がする」

 

ということもあるかと思います。

確かに見た目に薄まることもあるようです。

ただその理由は、精液の製造スピードが精子の製造スピードに比べて遅いからです。

精子数は変わらないものの精液が足りないことで、薄くなったようにみえるんです。つまり、

 

  • 精子は薄まらない(数は変わらない)
  • 精液量は薄まる(量が減る)

 

と言えます(もちろん精子数は射精頻度に関わらず体調などの諸要因によっても左右されます)。

 

射精は毎日。禁欲期間は短くて良いは本当なのだろうか?

毎日射精についてなぜ疑問に思ったのか、理由は以下の3つ。

 

  • 「精液は薄まる場合がある」という矛盾
  • 日産1,000万匹は十分だとは思えない
  • 精子の「成熟期間」という過程

 

では、説明します。

 

精液は薄まる場合があるという矛盾

「毎日射精して問題ない。薄く見えるのは精液を作るスピードが遅く間に合わないからだ」

ということですが、この時点ですでに万全ではないですよね?

この場合正しいのは、毎日射精しても精子の数には問題ない精液の量は十分ではないということになります。

 

精子だけ問題なければ良いのか?と思う訳です。

精子は精液がないと生きられません。精子にとって精液という存在を例えるならば、深く長く潜る為の酸素ボンベであり、寒さから身を守るウェットスーツのようなものといえます。

この精子と精液の2つ(正確には精子、精嚢分泌液、前立腺液の3つ)が十分に揃った時にこそ、より妊娠の可能性は高まるはずです。

ですので、精子の数に問題なくても、精液量が十分でないのであれば、毎日の射精は果たして「理想の頻度」と言えるか疑問に思うわけです。

 

日産1,000万匹は十分だとは思えない

最初聞いた時、「毎日1,000万匹作られるってすげーな」と思いました。

ただこの説明にはこの1,000万匹という数が、

 

  • 片玉あたりの数なのか?
  • 両玉合計の数なのか?

 

は説明がありませんでした。よってここからは、1,000万匹は両玉合計の1日の製造量として話を進めます

そして、この数を聞いてふと疑問が浮かんだ訳です。

 

「そもそも金玉ってどれだけの量の精子を在庫できるのだろうか?」

 

と。

まず精子を在庫するところは、先ほどの ”精子の作られ方” で書いた通り、精巣上体(副睾丸)という所。

精巣上体は商品を在庫する倉庫のようなものですね。そしてこの倉庫のキャパを調べたところ、Wikipediaにこう書かれていました。

ヒトの場合、ここで最大10億程の精子が貯蔵できると考えられている。
※Wikipedia「精巣上体」より抜粋

と。

最大10億匹を在庫できるようなのです・・・

ただこの説明にも、この10億という数が、

 

  • 片玉あたりの数なのか?
  • 両玉合計の数なのか?

 

の記載がありません。よってここからは先ほどの1,000万匹の製造量の前提と同じく、10億匹は両玉合計の最大在庫量として話を進めます

一人あたり10億、すげー・・・7人いたら世界人口70億に匹敵するやん・・・。

毎日1,000万匹を生み出し、最大10億匹を在庫できる金玉・・・恐るべし。

 

でも皆さん、

ここで疑問に思いませんか?

WHOの総精子数(3,900万匹)の基準値と照らし合せた時、なんか計算が合わないと。

 

詳しく説明します。

 

精子を「お金」とした時の金玉という「銀行口座残高」の推移について

 

まず金玉を銀行口座残高(=貯金)、精子をお金、射精を支出として考えてみましょう。

【前提】
ぽこ家の銀行口座には現在10億の貯金があり、毎日1,000万円の入金があって、毎日3,900万円の支出があるとします。

この前提で過ごしていくと、なんと36日目に家計は破綻し路頭に迷うことになります

日数 ①貯金 ②入金 ③支出
1日目 100,000 1,000 3,900
2日目 97,100 1,000 3,900
3日目 94,200 1,000 3,900
4日目 91,300 1,000 3,900
5日目 88,400 1,000 3,900
6日目 85,500 1,000 3,900
7日目 82,600 1,000 3,900
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
36日目 ▲1,500 1,000 3,900

※単位=万円

しかも、この支出設定(WHOの基準)は悪い方から5%という低めに見積もられている数字であり、それで約一ヶ月ちょっとで資金がショートしてしまうわけです。

毎日2,900万(1,000-3,900)の赤字を垂れ流している計算ですね。

仮にこれがWHO基準値100%(5%の20倍)の人だったら7億8,000万匹となり、わずか2日目で10億の貯金を使い果たし、もう有無を言わさず支出開始翌日からホームレス決定なわけです。

こう考えるに、毎日射精して良いという理屈がどうも私にはわからないわけです。

 

仮に精子の製造量と精巣上体の最大在庫量が「片玉」あたりだとすれば、両玉で20億の貯金があり、両玉で毎日2,000万の入金があって、両玉合計の毎日の支出は3,900万という式になります。よって毎日1,900万(2,000万-3,900万)の赤字になるわけです。よって20億÷1,900万=105日(3ヶ月半)でゲームオーバーです。

 

精子の「成熟期間」という過程

精巣上体に送られた精子は、そこで成熟という過程を経て射精に備えます。この成熟というポイントがどうも引っかかるのです。

成熟しない場合はどんな状態の精子なのかと。

調べると、

精巣上体に運ばれ、その細管の中(約6mにも及ぶ)を通過するにつれて、前進運動をし、受精する能力を次第に獲得していくのである。 この様にして精子が一人前の機能を備えていく過程を「精子の成熟」と呼んでいる。
※筑波大学基礎医学系/岡村直道 著「
精巣上体における哺乳類動物精子の成熟」より引用

つまり言い換えれば、成熟していない=未成熟な精子とは、

 

  • 前進運動ができない
  • 受精する能力を有していない

 

ということになります。

 

ところで、6mってすごくないですか? しかもその6mの管を収めきる金玉も相当にすごくないですか?

6mって超微細な精子にとっては相当な距離ですよ。

精子0.05mmに対しての6mって、日本人男性の平均身長が171cmとして換算すると、205km強に相当する距離になります。マラソン5回ぶっ通しで走る位の距離です。変態的スタミナの持ち主ですね。これからはもっと敬意を払いたいと思います。

 

話を戻します。ちなみにこの成熟にかかる期間とはどれ位なんでしょう?

調べると、

精子が精巣上体の中をのぼって精管へと向かうまでの日数は約20日で、精子はその間、受精に必要な運動能力などを身に付けていきます。
※看護roo!「男性の生殖器の構造と射精のメカニズム|受精のしくみから理解する(1)」より引用

とありますので、精巣上体(6mの管)に送られた未熟な精子は約20日間をかけ大人になるわけですね。

 

さて、先ほど射精量(3,900万匹)と精子の製造量(1,000万匹)がバランスしていないと述べました(毎日2,900万の赤字)。

でも仮に、仮にですよ、在庫が足りなくなりそうな場合には、実は銀行からの借入枠があって(借金出来る)成熟していない=未熟な精子を無理やり借り入れるという機能が金玉に備わっていた場合はどうでしょうか。

つまり、どんどん借り入れを増やして家計の帳尻を合わせている、ということだったらどうでしょう。

 

多分まずいですよね。

自転車操業とはまさにこのこと。

 

計算の上では、どこかで底をつくだろうし、そもそも使い物ならない未熟な精子を借りたところで無意味だと思うのです。(例えるなら「円」じゃなくて国内で使えない「ウォン」を借りるようなもの)
※未熟な精子が帳尻合わせに出てくるという医学的根拠はなく、あくまで個人の想像、妄想の話です。

未成熟な精子でつなぐとしても、精子製造スピードを射精量が上回っている以上、計算式の上ではいつかは底をつくはずですが、おそらく結局は出続けるんだと思います。そこまで試した人を知らないので絶対とは言い切れませんが、なんとなくそんな気がします。

 

日産1,000万匹、在庫10億匹、支出3,900万の場合の最適な射精頻度は?

では射精の最適な頻度はどれ位なのでしょうか?

1日あたりの精子製造数が1,000万匹で、一回あたりの射精量が3,900万匹とした場合に収支がバランスする最適な射精頻度は、

3,900万匹÷1,000万匹=3.9

つまり、

 

約4日に一回が最適な射精頻度

 

だと、計算上ではそうなります。

そうすると週2〜3位でヌイてるとすれば、遥か昔からすでに債務超過の状態であり、なおも日々莫大な借入を継続していることになります。

国の借金が1,000兆円以上といわれてますけど、うちの金玉帳簿上の借入金は恐らく2,000兆円は軽く越えてるでしょうね。

 

金玉よ、スマン。

 

正しい射精頻度(=禁欲期間)は一体どちらなのか?

 

エブリディヌキヌキを推奨するクリニックと、収支のバランスが合わない金玉の懐事情。

 

「一体どっちが正しいんだ???」

 

考えうる答えは、

① クリニック&医療業界が嘘をついている

② Wikipediaを信用する私がナンセンス

のいずれかでしょう(強引!)。

①は「嘘をついている」と書きましたけど、「誰も見たことないし分からない」が正しいですね。

そう考えると、あまり深く考えても意味がないような気もしてきました。

 

多分、人間、いや生命の根源に関わる重要な器官である金玉は、その時々の状況に合わせ適応・順応する能力がズバ抜けて高いんだと思います。そうでないと説明がつきません。

やばいんです。あいつ、金玉って奴は・・・

結局、精子(=金)を求められれば無尽蔵にどうにかしてでも作って出しちゃう良い奴なんですよ。

だから「」玉なんです。

GOLDな奴らなんすよ。
(男性不妊というケースもありますので一概には言えません)

 

もうRCTの言う通り毎日射精してもいいし(子作り前は1〜3日の禁欲を推奨)、ヌキたい時にヌイいて、ヌキたくない時はヌカなければ良いんだと思います。

人それぞれ状況が違うわけで、なにか一つの型にはめようとすること自体まちがっているのかもしれません。ようは、

 

金玉の声に耳を傾けましょうよ

 

って話です。

と最後、身も蓋もないことを言ってしまいましたが、もうそう考えるしかないと思います(笑)

 

ちなみに自分は毎日ではなく、2〜3日に1回で、子作り前は2日の禁欲期間を設けようかなと思っています

根拠はないです。なんとなくです。金玉がそう問いかけてきているような気がするので(笑)

 

最後までくだらない妄想におつき合いいただきありがとうございました。

 

金玉が「眠い」言うてるのでもう寝ます(笑)。

 

おやすみなさい。(どんだけ金玉連呼すんねん!)

 

The following two tabs change content below.

約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。
  ↓↓ 気軽にフォローミー! ↓↓   ぽころぐ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。