フリーマガジンのjineko2019年冬号に「私たちの声を届けたい!」として不妊治療特集が掲載されました。
その内容は、Twitter上で拡散された不妊治療に関するアンケート結果と、また多くの当事者のリアルな声というなかなかセンセーショナルなもの。
6ページに渡って組まれたその特集をシェアします。
jineko(ジネコ )とは
株式会社ジネコが運営する
- 婦人科で悩む女性をサポートするポータルサイト「ジネコ」
- 女性のための健康生活フリーマガジン「jineko」
等の総称。
今回特集が組まれたフリーマガジンjinekoは2009年2月に初創刊され、現在発行部数10万部に及ぶ。全国300クリニックにて無料配布&ECサイトにて注文を受け付けている。
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特集が組まれた経緯
今回、jinekoでこの特集が組まれたのは「ゆなさん」という女性の熱い思いがきっかけでした。
その経緯は、ゆなさんが以前フォロワー数の多い有名産科医がSNS上で発信した以下のツイートを目にしたことから始まります。
「日本の不妊の原因は高齢が多い」
この発言に現状との大きなギャップを感じたゆなさん。
もちろん高齢が不妊原因であることに異論はありませんが、あわせて年齢以外にも多くの原因があることもまた事実であり、あくまで数ある要因の中の一つ。
リアルな現状を知る当事者だからこそ、不妊=高齢と概括されたことに違和感を抱き、独自に「治療開始年齢はいつだったか」というアンケートをツイッターで実施されました。
そのアンケートはまたたく間に拡散され、最終的に4,748票もの現・元経験者の回答が集まる結果に。
不妊検査、不妊治療(不育症含む)を経験したことがある全ての女性に聞きます✋不妊を疑い通院を始めたときは何歳でしたか?将来を考え自発的に検査を受けにいった場合でもOKです🙆何歳のときに動き始めたのかを知りたいです✨#医療のチカラで子どもは増やせる#拡散希望#この夏わたしは変えたい
— ゆな@不妊治療中 (@yunakinenbi) July 15, 2019
このアンケートにより、
「日本の不妊の原因は高齢が多い」
と、おおざっぱに丸めてしまう見方は、不妊治療の実際とは乖離があり、
「世間のイメージよりも若いうちにみんな動き出して頑張ってる」
→でも、環境が整っておらず適切な治療にたどり着くことが難しい。また経済負担も大きいこともあり、結果的に高年化してしまっている。
という現実が垣間見えたのです。
そしてゆなさんはこの独自のアンケート結果を踏まえ、治療当事者以外の多くの人にこの現状を伝えたいと、妊活関連メディアの大手であるジネコ社にDMを送付します。
DMを受け取ったジネコ社はゆなさんの思いや、集まった多くの不妊治療経験者のコメントに突き動かされ、ゆなさんと協働でより詳しく厚みのある不妊治療経験者の声を集めるアンケートを再び実施、その結果がこの特集につながったのです。
なお、ゆなさん考えや思いはこちらのツイートをご覧ください(ツリーで続きます)↓
早速、投票やRTしてくださった方、本当にありがとうございます。
以前とったこちらのアンケート、4748票いただき、かなりたくさんの治療経験者がTwitterにいることがわかりました。そして世間のイメージよりも若いうちにみんな動き出して頑張ってることも。https://t.co/I03tdMbKNv— ゆな@不妊治療中 (@yunakinenbi) September 12, 2019
特集の内容
そして組まれたのが、
「不妊治療の実際」
行政に、企業に、クリニックに、社会に、私たちの声を届けたい!
~2000人アンケート調査より~
という素晴らしい特集。
- 初めて不妊の検査を受けたり治療を始めた年齢は?
- 不妊治療を始めたきっかけは?
- 通院している不妊治療施設の種別は?
- 今まで受けた最も高度な治療は?
- どのくらいの期間治療を続けている?
- これまでにかけた治療費の総額は?
- どのくらいの治療期間で妊娠しましたか?
- 妊娠したときの治療法は?
- 治療をやめた理由は?
このような不妊治療の実態に迫るいくつものアンケート結果や、それらに付随するリアルなコメントが編集されることなくありのままに掲載されました。
そして今後ジネコ社はこれらのリアルな声を元に、(以下のような)様々な切り口から不妊治療の実際を継続して企画〜発信していくとのこと。
●病院によって違う治療方針や実績をわかりやすくしてほしい
→翌号「正しいデータの読み方」特集予定
●仕事と両立できるような制度や理解を
→企業への啓発セミナーを実施
●着床前診断が受けられれば・・
→翌々号で特集予定&随時情報発信
●若いから大丈夫という認識をかえて
→翌号で啓発記事を発信
●若い世代への教育を
→年一回女子大生向けセミナーを実施
●治療にお金がかかりすぎる
→世界と日本、補助額等の比較特集予定(号未定)
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読んでみた感想
もう、一言。
すごい。
ゆなさんの行動力やジネコ社の実行力、直球勝負感!
全部すごい!
日々SNSに溢れる当事者のまじりっけなしのリアルな叫びがこんなに立派な紙面に並ぶなんて、感動すら覚えました。
でも正直、(私たちもTwitterアンケートの拡散に協力させてもらい一部始終を見ていましたが)ここまでコメント等 赤裸々に生々しく掲載されるとは思っていませんでした。
ジネコのフリーマガジンを取り寄せて読んだのは今回が初めてでしたが、これが無料で良いのか…と読みながら懐事情も気になりましたし、さらには広告主など、ステークホルダーとのしがらみとか大丈夫なのかなど、いらぬ心配をしたりしていました(汗)。
ジネコさん、ありがとうございます!
尚、現在反響が大きく、通常よりも注文が多く入っているとのこと。この特集への注目度が伺えますね。
願わくば当事者サイドだけでなく、医師や国に通づるお役所の方にもくまなく読んでほしいと思います(切望)。
不妊=高齢って丸めすぎじゃない?
日本の不妊治療の成功率は世界最低です。その要因の一つに治療開始年齢が高いというものがあります。この点はもちろん否定はしませんが、ちょっとあまりに年齢要因だけでまとめすぎてるきらいがあるように感じます。
個人的には年齢要因が強く前面に出ることで、
不妊 = 高齢
高齢 = 自己責任
みたいな風に見られたり、語られることが助長されているようにも感じています。
これは鮮度の高い情報があふれるツイッターをみていると、よりその感を強めます。当事者の年齢は本当に幅広いですし、20代から治療をしている方も多くいるんですよね。
不妊=高齢という図式は該当者を無用に傷つけることはもちろん、その一方で不妊に悩む若い方の孤立感や閉塞感を助長することにもなると思うんですよね。
また日本の不妊治療開始年齢が高齢なのは、社会構造はもちろん不妊治療を取り巻く環境の悪さも大きいと感じます。
さらにこの悪循環に輪をかけて
- 玉石混交の情報が散乱
- 施設情報の比較検討の難しさ
(治療方針・費用・検査項目) - 施設ごとの技術格差
- 地域ごとの技術格差
- 高額自費診療ゆえに躊躇してしまう
- PGT-A等の世界標準技術との乖離
- 心理面を支えるサポート体制の少なさ
- 生殖医療への世間の理解や認知の乏しさ
- 狭量で画一的なキャリアパスモデルの跋扈
等々、患者にとって
目標への最短ルートに乗るためには、自らヘルスリテラシーを高めてから治療に当たる必要がある
という、さらなる難しい現状が生まれてしまっているのではないでしょうか。
ですのでこの特集が、長くアップデートされずに来た使い勝手の良いふんわりとした「不妊=高齢」といった図式ではなく、不妊は年齢だけによらず多くの方が悩んでいる社会課題であるという風に、もっと解像度の高い認識を浸透させていく一つのきっかけになればと思います・・!
こちらでどなたでも入手可能です
Webバーション↓
①https://www.jineko.net/magazines/5500
②https://www.jineko.net/magazines/5501
③https://www.jineko.net/magazines/5502
フリーマガジン↓(12/25まで送料も無料)
https://jinekoshop.com/?pid=146977540
特集を読んだらどなたでもぜひ #ジネコ感想 でシェアしてくださいね。
妻
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40歳と42歳で出産しました。不妊=高齢というのはおかしい。
不妊=女性が原因、も間違っている。
実際にはたくさんの要因があるものなのに安易に括りすぎですよね。実体験に基づくコメントありがとうございます!