出産までの道のりはまだ長く険しいですが、ひとつの区切りとして不妊治療経験で感じた気持ちをまとめてみたいと思います。
何かの参考になれば幸いです。
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目次
私の不妊治療は2014年5月からスタート

私は2014年、30歳の終わりころに妊活を始めました。
半年経っても授かる気配がなく少し焦り始めた私は、近所の婦人科で不妊検査をしてもらいタイミング法から治療を始めました。
振り返ってみると、途中子宮筋腫の手術や稽留流産があったことも影響し、タイミング・AIHにかなり長い時間をかけてしまいました。
年 | 月 | 医療機関と内容 |
---|---|---|
2014年 | 5月 | (地元の婦人科) ・不妊検査 ・タイミング法 × 数回 |
12月 | (都内大病院) ・漿膜下子宮筋腫 摘出 |
|
2015年 | 9月 | (地元の婦人科) ・タイミング法で妊娠 →流産 |
2016年 | 8月〜 | (はなおかIVF) ・不妊検査 ・タイミング法 × 数回 ・人工授精 × 3回 |
2017年 | 2月〜 | (漢方医院) ・漢方薬服用 ・鍼灸治療 ・タイミング法 |
9月〜 | (NAC日本橋 転院) ・ポリープ切除手術 ・採卵 × 2回 ・移植 × 2回(顕微授精) |
妊活を始めてからNAC卒業まで約4年と4ヶ月。
不妊治療に総額200万円ほど費やしました。
高度不妊治療へ挑戦しようと決めた時

(出典:NAC日本橋HP)
思い返すと、NACの説明会に参加したのが昨年2017年の3月と9月。
夫が高度不妊治療をするならココがいいのではないか、と調べて教えてくれたのがNACでした。
3月の説明会の時は、実はまだ自分が高度不妊治療に足を踏み入れるとは思っておらず、参考程度に聞いておこうくらいの感覚でした。
そのまま8月頃まで頭にちらつくことはあってもまだ自分ごとと考える事はできず、どこかでAIHまでで妊娠出来ると信じていて、高額な費用をかけて漢方・鍼灸にも通っていたつもりでした。
でも、心とは裏腹に無情にも過ぎていく時間。
35歳の誕生日を半年後に控えた9月、2回目の説明会に出席し、ここで高度不妊治療を受けようと決めました。
もう待っているだけは辛い。
待っていてもだめなら私たちから迎えに行こう。
高度不妊治療に飛び込むのは勇気がいるけど、少しでもチャンスがあるうちに進んでみよう。
そんなふうに夫婦で話し合ったことを覚えています。

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自然周期を選ぶのか、刺激周期を選ぶのか。
自然か刺激か?
NACに通院を決めるまでには葛藤もありました。
二つのアプローチの違いについて理解を深める意味でも、夫とともにリプロダクションクリニック東京の説明会にも参加しました。
両者とも、確固たる信念にもとづき刺激 or 自然の優位性をそれぞれ説かれます。
リプロであれば、不妊は病気であり投薬は必然。薬による影響は限りなく小さく安全であるうえ、効率的・合理的であると説かれます。
一方NACでは、刺激周期の投薬量は多すぎる上にそもそも不要。なにより母体が第一という点に重きをおく説明でした。
どちらも多少のポジショントークはあるのでしょうが、できることなら「薬」はできるだけ使わずに授かれればいいな、と私は感じていました。
とはいえ、自然周期にこだわって多くの時間がかかってしまうことだって、同じくらい怖いのですが・・。
それでもやっぱりNACの説明会の内容は私たちをグッと惹きつけるものがあり、ここで第一子を授かろう!と決意し通院し始めたのでした。
そうしてNACへ通い始めましたが、1回目の採卵で1つも凍結できなかった時、1回目の移植がカスリもしなかった時。
「果たして本当にココで良かったのかな・・」
と、夫に吐露することもありました。
不妊治療はゴールが見えない世界。
結果論でしか語れない世界。
夫婦で決めた選択や努力が、必ずしも実を結ぶわけではありません。
自然にしても刺激にしても、結果をコントロールすることはできません。
暗闇の中を手探りで進む治療過程において、心の底から恐怖を感じることもありました。

それでもポジティブな言葉を選ぶように心がけ、この経験が絶対に無駄にならないようにと思わなければやっていられないというのが正直な気持ちでした。
自分を鼓舞するための言葉たちでした。
結果的に私たちに合っていたクリニックだった
結果的に、授かれた命はNACでしか選抜することができなかった小卵胞からの卵子。

(こそだてハックより引用)
他院や、自然排卵だったら絶対に出会うことができなかった卵です。
これまで数えきれないほどのタイミング、AIH、高額な漢方・鍼灸治療と、時間もお金もかけてやってきたつもりでしたが、私の夢を叶えてくれたのはNACでした。
高度不妊治療だけでした。
誰しもにNACが合うなんてことは決して言えません。
だけど、NACはいいクリニックだと思います。
NACに通い始めると、どんどんどんどん治療が進んでいきます。
初周期を除き運良くお休み周期もなかったため、通院しまくりの怒涛の半年間でした。
それでも、最小限の投薬のおかげで体調を崩すこともなく、元気いっぱいに通うことができたと思っています。
以前にコメントを頂いた方からもらったメールの中にこのようなことが書かれていました。
不妊治療の良い医者、評判の良いクリニックというのは決して一括りにはできず、結論を言えば『
妊娠させてくれた医者』がその人にとっての最良の医者なんです。
本当にその通りだと思います。
誰かの最良の医者が、必ずしも自分にとっても最良の医者だとは限らない。
きちんと調べて自分が納得した上で通院することはもちろん大切だけど、最後は結果論なんですよね。もどかしいけれど。
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同じ経験をしている方たちとの繋がり

私たちは高度不妊治療を受けていることを、誰にも話していません。
不妊治療をしている友人は一人もおらず、誤解や偏見が怖くて話すことができませんでした。
そんな中、当ブログやアメブロ、ツイッターで繋がれた方達とのやりとりには本当に助けられています。
同じ悩みに向かって頑張っている方々、経験者の方々との繋がりは本当に何より心強いです。
共感し合うことってこんなにも心が軽くなるんだ・・
と心底感じました。
高度不妊治療に足を踏み入れる時の気持ち
高度不妊治療に入ると、あれよあれよと治療が進んでいき、金銭感覚も狂っていきます。
結果が出ない時にはもどかしいし、「未来」が心底怖くなる。
預金もみるみる減っていく。
でも、もし今二の足を踏んでいた過去の自分に何か言えるとしたら、
大丈夫、思ったより全然怖くないよ。
ということ。
勢いがある今こそ、足を踏み入れてみて。
少しでも若い今こそ、勇気を出してみて。
治療は時に痛みを伴うけれど、いたずらに時が過ぎていく心の痛みに比べたら耐えることができます。
一歩踏み出すことはリスクも背負うけれど、もしかしたら踏み出すことで望む未来に近づくことができるかもしれない。
簡単に「トライしてみて!」なんて言える世界ではないけれど、踏み出すだけの価値があるのではないかと私たちは感じています。
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不妊治療の現状

不妊治療の情報は溢れすぎていて、取捨選択することがとても難しいですよね。
もちろん医療機関や学会のHPなどを見れば不妊治療のことについてはだいたいわかります。本を読めば理解はできます。
ただ、私は実際に不妊治療を行なっている方々の体験談を欲していました。
- 診察の経過や結果
- どんな治療をしているのか
- どんな薬をつかっているのか
- 費用はどれくらいなのか
また、患者側からすると、全体的な妊娠率はもちろん、自分と同じ年齢且つAMHの近い人が何回採卵して何回の移植で妊娠に至ったかなど、もっともっと詳細な情報が欲しい。
その情報が必ずしも自分にあてはまるわけではないけれど、実際の体験談を参考にすることによって、例え遠回りになってしまったとしても、自分の下した選択への後悔の念は結果的に減ると思ったんですよね。
過酷な現実だけど、女性が子どもを授かる時間にはリミットがある。
時間を有効につかうためにはどうしたらいいか?
何が最善なのか?
女性にとって本当に辛い不妊という悩みにおいて、クリニックのシステム(情報開示)や、保険適用など国としての不妊治療の捉え方がこの先もっと変わっていってほしいと感じます。
私たちの不妊治療まとめと、これからについて
実は私たちは、NACを卒業したことでこのブログも卒業するか、新たにブログを立ち上げようかとても迷っていました。
だけど、不妊治療をしてきた私たちの経験は私たち家族の歴史。
不妊治療をしていなければ、命を授かることは出来なかったかもしれません。
だからこそ、この貴重な経験を無駄にはしたくない。不妊治療で尊い命を授かったことに誇りを持っていたい。
そう考え、これからも不妊治療について、また不妊治療からの妊娠〜出産の過程についても書いていこうと決めました。
これから先、不妊治療に悩む方にとって有益な情報が的確に届くような社会になりますように。
そして多くの女性の夢が叶いますように。
これからも微力ながら発信を続けていきます。


妻

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ぽっ子さん。
遅くなりましたが NAC卒業おめでとうございます!
ちょうどぽっ子さんがNACに通われ始めた頃に、こちらのBlogに出会い、過去記事も含めて毎日のように読んでいました!なので、ぽっ子さんご夫婦の願いが叶ったのは本当に嬉しいです。
私は今30歳で、NACと同じ永遠幸グループの新宿ARTに通っています。先日初採卵を終え、今は凍結確認中です。
私は不妊検査で、重度の内膜症と片側卵管閉塞が発覚し、タイミング法5回で高度不妊治療に入りました。検査から半年で高度不妊治療に進もうと思ったのは、ぽっ子さんご夫婦のBlogの存在がとても大きいです。
高度不妊治療に対する知識不足や恐怖心を、ぽころぐがクリアにしてくれました。結果的にはNACにしなかったのですが、NACの説明会に最初に夫婦で参加し、夫も理事長の話を聞いて、永遠幸グループの理念の病院なら任せられると前向きになりました。
まだ治療は始まったばかりで、この先どんな感情に出会うか分かりませんが、今は高度に早く進めて良かった、今が1番妊娠に近づいてるんだ、と希望のほうが大きいです。
私のようにぽころぐに背中を押された人も沢山いると思うので、ぽころぐはずっと続いて欲しいです!(出産・育児ネタも大歓迎です。笑)
不妊検査をした病院の先生に、高度不妊治療に進むか悩んでいると相談した時、「子供が生まれた時に、高度不妊治療をしたことを後悔する人なんていないよ。みんな生まれたら忘れていくよ」と言われました。忘れるかは別として、本当にその通りだなと思います。
これからもぽころぐの更新を楽しみにしています!ぽっ子さんご夫婦が無事に赤ちゃんと会えますように⭐︎
ジェリーさん
ジェリーさん、初めまして!嬉しいコメントをいただき、感無量です(;;)
つたないブログを読んでくださり本当にありがとうございます・・!!
ジェリーさんは新宿ARTに通われているんですね^^ そうそう、ブログには載せていませんでいたが私たちは新宿KLCの説明会にも参加しました。
永遠幸グループは日本の高度不妊治療を引っ張ってきた存在だと思うのでやはり安心感はすごくありますよね。
タイミング法から高度不妊治療へ一気にステップアップしたのですね。とても勇気がいったのではないかな?と思います。
「今が1番妊娠に近づいてるんだ」という気持ち、すごく分かります!高度不妊治療中、落ち込むことも多々あったけど、AIHまでの毎月の落胆を考えると前に進んでいる感じはやはり一番感じました。
先生のお話もすごく分かる気がするんです。
私も当初は「顕微受精で授かったことずっと気にしてしまうんじゃないかな、胎児の成長に影響は本当になのかな」と不安に思うこともあったのですが、胎児に対して今の時点でももうほとんど気にならないんですよね。不思議な感覚なんですが。
とは言っても私自身の中では不妊治療の経験は絶対に薄れないし刻まれていますけどね(^◇^;)
でも胎児に対してはその影響を忘れていけそうな気がするんです。
ジェリーさんのたまごさんが無事凍結されるよう、また運命のたまごさんであるよう願っております。
お身体お大事に、移植に備えてくださいねヽ(*^^*)ノ 心から応援しています!!
ぽっ子さん
卒業おめでとうございます!
はなおか先生時代にコメントしていたmike です。
おひさしぶりです!
ずっとブログ見させてもらい、影ながら応援応援していました。
本当に良かった〜(;_;)良かった〜
もちろん、まだまだ不安いっぱいでしょうが、ここまで来れたこと、
本当におめでとうございます!!!
子供も4ヶ月になりました。
不妊治療したとか、顕微だったとか、不育でヘパリン打ったとか…….
それぞれ不安いっぱいあったと思いますが
そんなのなーんにも全く気にもならなくなるから大丈夫です!
むしろ、不妊治療の辛さが身に染みているので、
どんな子であっても、どんな大変な子育てもなんともないですよ(笑)
このまま妊娠記録ブログとして、
たくさんの人に知識と勇気と希望を与えていってください!
またお邪魔しますね(^ ^)
こうやって妊娠や出産についてコメント出来るなんて、
振り返ると夢みたいで嬉しいです!!
mikeさん
わ〜っmikeさんお久しぶりです!コメントありがとうございます!
今もブログ見てくれてるなんて嬉しすぎます(;д;) ヒック 本当にありがとうございます。
mikeさんがはなおかで授かったお子様、もう4ヶ月なんですね!あぁ可愛いだろうなぁぁぁヽ(*^^*)ノ
確かにmikeさんがおっしゃる通り、胎児が成長してくると「顕微だったこと」が不思議とどんどん気にならなくなってきています。自分が不妊治療に費やした時間を忘れることはないと思いますが、子どもに対してはそういった不安はこの先もっとなくなっていくような気がします。胎児の成長はたくましいですね。
そうですよね。不妊治療の辛さで精神面はかなり鍛えられているし、どんなことをしても叶えたかった夢。ママとして大変な時期はもちろんあるかと思いますが、それもひっくるめて全部愛していきたいです(^○^)
いやはや・・私もこんなコメントやりとりができるなんて夢のようです(><)
mikeさんもお身体大切に子育て満喫してくださいね^^ 私も後輩ママになれるよう、健康第一に頑張ります!
ぽっこさん おめでとうございます!そしてお疲れ様!自分の事のように嬉しいです!まだまだ 出産までのみちのりってきもちわかります!
私も浮かれてはいけない。何かあった時愛着をもってはいけないと思い一度もマタニティマークもつけずに妊娠期間を終えました。息子も生まれ、真っ白な母子手帳を見ると肩に力を入っていたなーって思います。今情報の溢れてる時代なので色々見過ぎ考えすぎ、妊娠が不妊治療の延長戦になってた気が(T . T)
ぽっこさんは私のようではなく楽しい妊娠期間を過ごして欲しいと思いました。妊婦様でもいいじゃないですか!こんな頑張ってきたんだから って思います!お腹の子のママは自分しかいないんです。ブログも続けて下さるのは経過も知れて嬉しいですが楽しく過ごして欲しいなぁーってピリピリしてた私は思います 笑
息子も5ヶ月になり大変な事もありますが不妊治療してた時は本当1番つらかったなぁーって考え旦那とも話してます。そして、私はぽっこさんの1つ下の隣の県在住なのですが支援センターなどにいくと年的に年下のママが多く、同じ年だと2人目のママだったりし自然妊娠パワーにジェラシーを感じたり←隣の芝生は青く見える ですよね 汗 治療を思い出せ!笑
何か話がずれちゃいましたね 。
暑かったり、寒かったり 悪阻なども始まってツラかったりすると思いますが体を大事に自分本位で楽しく過ごして下さいね!( ^ω^ )ご卒業おめでとうとございます!
おこちゃさん
おこちゃさんお久しぶりです!ブログ見てくださって、そしてコメント本当に嬉しいです(TT)
そして何より、ご出産おめでとうございますヽ(*^^*)ノ
あぁ私いまおこちゃさんが抱いていた気持ちがすっごく分かります・・
私は現在13wですがマタニティマークはもらっておらず、つけなくてもいいかな・・と思ってしまっています。妊婦健診も、嬉しい!ワクワク!よりも今日は大丈夫かな、生きてるかな(><)って感じで日々不安が拭えず、ほんとまだまだ不妊治療の延長線上にいる気がします。手放しで喜ぶことがこんなに難しいなんて!
でも経験者のおこちゃさんのお言葉を聞くと、もう少し肩の力を抜いてもいいのかな?なるべくリラックスしよう、と思うことができます。ありがとうございます^^
あとあと、自然妊娠パワーへの気持ちも本当〜〜にわかります。私は友人に不妊治療のことを話していないので当たり前っちゃ当たり前なんですが、最近近しい友人に妊娠を告げたところ自然妊娠と思い込んでくれてて「やっぱアレが良かったんじゃない?」とか「やっぱり来るべきときに来るんだよ」とか言われてるとモヤモヤ。。。時間とお金をかけて自分から迎えに言ったんだよ・・と心の中で思っていました。話してないのでしょうがないんですけどね!それにしても、高度不妊治療は少数派なんだな、と突きつけられることが多いです。
おこちゃさんの息子さんはもう5ヶ月なんですね!あぁ可愛いだろうなぁ(^○^)
私も気を抜かず、いやたまに気を抜いて(笑)どうにか出産まで辿りつきたいと思います。
おこちゃさんも子育て大変なこともあるかと思いますが、今を思いっきり満喫してくださいね(^▽^)