不妊治療クリニックの待ち時間ってなんであんなに長いんだろう。
予約した診療時間から最低でも2〜3時間は待つことがほとんど。先日は4時間以上待ったし(待ち時間が長いのは、はなおかIVFに転院前の病院もそうだった)。
正直、
「どうにかならんもんか」
と思ってしまう。
そんな「不妊治療クリニックの待ち時間長い問題」を考えてみたい。
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目次
世界の病院では待ち時間は短いのが一般的?
慈恵医大病院で腎臓結石破砕から数ヶ月後のアフターケア診断。10:30予約でピッタリに行ったのに未だ診察待ち。次の仕事に間に合わないので診断受けずに1080円払って退散。やっぱダメだな日本の医療業界。安かろう悪かろう。医療保険制度の改革も必要だし、病院経営も改める所多し。
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) May 9, 2014
ホリエモンも日本の病院の待ち時間の長さにはご立腹のようだ。
不妊治療クリニックも含む「病院」という大きなくくりではあるが、世界的には病院に行ってから長く待たされることはあまりないらしい。
そこで、こういった事情って日本だけなのか、病院に行ってからの待ち時間が短い国と長い国を調べてみた。
(A)病院に行ってからの待ち時間が短い国
イギリス
オランダ
イタリア
ノルウェー
スウェーデン
フィンランド
デンマー ク
カナダ
オーストラリア
ニュージーランド
など。
先進20カ国の半数以上にものぼる。
(B)病院に行ってからの待ち時間が長い国
アメリカ
スイス
日本
など。
病院に行ってからの待ち時間が長いのは少数派っぽい。
なんで、こんなに差があるんだ?
大部分の国が短いのに、なぜ日本は長いのだろう。
それにはまず「待ち時間」という前提(設定)を確認する必要がある。

どこからどこまでを待ち時間というのか?
先ほどから「待ち時間」というワードの前に「病院に行ってから」とつけているのにお気づきだろうか?
そう、ここがポイント。待ち時間を以下のように詳細に設定して再度詳しく(A)(B)について説明したい。
⬛予約→訪院(病院に行くまでの時間) = 待ち期間
⬛訪院→受診(病院についてからの時間) = 待ち時間
この時間と期間というふうに分けて、各グループをみるとそれぞれに一長一短があった。
(A)の国々は、病院に行ってからの待ち時間は短いが、予約から受診日までの待ち期間が長い。
(B)の国々は、病院に行ってからの待ち時間は長いが、予約から受診日までの待ち期間は短い。
(A)は、病院到着後の待ち時間は短いけど、予約をしてから受診日が訪れるまでの期間が長い。日本のように簡単に病院の予約を取れないというデメリットがある。予約ができるのは数日〜数週間先、下手したら数百日待つこともあるらしい。
そういう意味では、日本は比較的いつでも予約ができて、受診日まで数週間待つということもそうそうない。病院での待ち時間が長いのは恵まれた悩みなのかもしれない。
なぜそんな違いがあるのか?
この差は、ざっくりいうと
公的医療機関が主の国なのか
私的医療機関が充実している国なのか
といえる。日本は後者。
前者の(A)の国々の医療機関は公立で医療保障が手厚く、患者の自己負担はほとんど生じない。したがい、無料で受けられる医療の代償として、待ち時間は短いが、待ち期間は長くなるという構造。
一方、後者(B)の国々は、私的医療機関が 多く、医療費の一部及び大半が自己負担であるがゆえに、需要に見合う供給がなされ、待ち時間は長いが、待ち期間は短くなるという構造。
日本の病院は需要と供給のバランスがある程度成立しているから、急に診察を希望しても受けることができ、それにより患者が多く集まる結果、長い待ち時間を許容せざるを得ないということになると言える。
不妊治療専門クリニックならもっと短くできないのか?
今紹介したのはあくまで「病院」という大きなくくり。総合病院などを含むデータ。
総合病院であれば、患者の怪我や病気の種類は多岐にわたり、かつ程度もかなりの幅があるだろう。内科、外科、など全方位で対応しないといけないので、そりゃあ一人一人にかける時間なんて事前にわかりゃしない。
しかし、不妊治療クリニックはどうだろうか?
こちらは総合病院などと違い、専門医だ。
つまり、来る患者がどういうものかわかっている。そしてその悩みや症状の幅も総合病院のように多岐にわたるものでもないことは、素人の自分でも容易に想像できる(不妊治療中の方の悩みや症状が他に比べ軽いということではない)。
であれば事前にある程度、経験則から患者一人当たりの診察時間を推測することで、高精度で適正な予約人数におさめられないものか、と思ってしまう。
別に文句をいうつもりはないが、だからと言って待つのが好きなわけでもない。もちろん、こう言った現状は世の不妊治療クリニックでは当たり前の光景なこととも理解はしている。
しかし、長い待ち時間は週末であればまだしも、例えば平日会社を午前半休してきた旦那は、正午というリミットがある。仮に10時に予約して病院に行って3時間待たされたらアウトなわけ。
「たかだか3〜4時間の待ち時間くらいでガタガタぬかすな」
「甘いんだよ」
なんてお叱りを受けそうだが、自分の性格上、納得しないと気がすまない。
この記事を書くときも、妻は「やめなよ」とかなり消極的。消極的な理由を聞くと、
「病院を悪くいうことで、診察などが雑になってしまうのではないか?」
「そういったマイナス思考が妊娠を遠ざけるのではないか?」
という風に感じているみたい。
ここは男と女の違いなのかもしれないけど、男って、
「でも高い金を払っているんだから、別に横柄な態度をとることはないけど、せめて同等に話しすることの何が悪い(いい意味でのクレーム)」
ってドライに考えがち。先生に対する過度な配慮や、無制限にへりくだる妻の姿勢について、ちょっと違うんじゃないかなって思ってしまう。まぁ妻の気持ちはわかるが。
別に否定はしないが、夫がそういう冷静な視点や意見をたまに妻に入れることも必要なことかなとも思う。とはいえ、実際に先生にいうほど度胸もないが(恥)。
と話しが逸れたが、不妊治療クリニックは専門医であるのに待ち時間が長いのはなんでなんだろう。
専門医だから待ち時間が短くできるはずだ、との考えはあくまで個人の思い込みだけど。

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不妊治療クリニックの待ち時間が長い理由
不妊治療クリニック
待ち時間
長い
と検索窓に打ち込むと、こんな記事を見つけた↓
この記事の中で待たされる原因が書かれていた。簡単にいうと、
ドクターの数が足りない。。。
どこの不妊治療クリニックのドクターも、おおよそ1名くらいということらしい。よって、どうしてもさばききれない状況があるようだ。
はなおかIVFは、常時ではないだろうが花岡夫妻2名で対応しているので、多い方なのかもしれない。
そんな状況なのに、文句を言ってゴメンなさい。。。
でも、だいたいの適正予約人数って事前に計算できないもんかね?(しつこい?w)
これまで通院してきた感じからいうと、一人当たりの診察時間はだいたい5分くらい。この5分を前提とした場合、1日の診療時間が10時間だとしたら、診察できる患者数は、
120人
先生の休憩やトイレの時間なども加味すると、100人くらいが現実的なのかな。
4時間待った先日の診察は、1日100人の患者数との前提で考えると、240分(4時間)➗100人。つまり、一人あたりの診察時間の5分を2.4分超過したことになる(148%)。
もしくは一人あたりの平均診察時間が5分きっかりとの前提で考えると、240分(4時間)➗5分。つまり、48人多く予約を受け付けたことになる(100人→148人診察)。
どちらにせよ、予約と許容能力のバランスが良いとは言えないように思える。
ちょっと例えが悪いけど、自分の仕事でも過剰な受注はしないし、何よりも身の丈に合わない過剰な数の受注をして、案の定生産が間に合わず、納期が遅れることは顧客との信頼関係を毀損する以外の何ものでもない。
自分の仕事と不妊治療を同列で比べるのはちょっと違うけど、あえて一石を投じてみたい。
不妊治療クリニックの待ち時間が長いのは献身的姿勢の表れか?
身の丈に合わない過剰受注は顧客との信頼関係を毀損する以外の何ものでもない、なんて過激な表現をしたけど、よく考えたら逆なのかもしれない。
仮にこれが、先生の努力により早くさばけた場合はどうだろう。
5分の平均診察時間を4分にできたなら、100人しか予約していなかった場合、100分の余裕ができる計算になる。つまり20人分の空きができるわけだ(=100分➗5分)。
もしかしたら先生は、
多くの患者の診察機会ロスを最小限にとどめるため
あえて多くの予約を受付けているのかもしれない。
ぴったしの予約数だと、診察が早まった場合に診察時間の余白ができてしまい、予約を受けていたら診察できたかもしれない患者を生み出してしまう。そんな状況を未然に防ぐため、あえて多く予約を受け付けているのかも。まさに、多くの患者を救おうという献身的姿勢の表れなんだと思うし、そう信じたい。
あと、人工授精や体外受精などは卵胞の育ち具合や、その他様々な要因で急に実施日が決定したりするから、ある程度突発的な予約を受けざるを得ないといった、不妊治療ならではの事情があることも忘れてはならないのだろう。
そして、待ち時間が長いということは、人気であるということの裏返しであり、人気は実績で作られるものである。
つまり、妊娠を高い確率で実現するためには、この待ち時間は踏むべき「修行」なのだ。
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ゴールの見えない不妊治療に比べればどうってことは無い。
以前に、
という記事を書いたが、不妊治療の最大の辛さは「ゴール」が見えないこと。
でも、診察は待ち時間が長くとも、診察という「ゴール」はやがて訪れる。
先の見えない不妊治療に比べれば、診察までの待ち時間などどうってことはないのだ。
待ち時間がなぜ長いのだろうと疑問に思って、先生の立場に立って考えたりしてたら、なんだかこんなことでグチャグチャ言ってる自分が小さく思えてきた。
先生や病院が努力して、今こういった現状になっていると思うしかない。
ベストではないかもしれないが、ベターなんだと思おう。
逆にこの時間を有効に使おう。
現状に不満をいうのではなく、視点や発想を変えて、良い方向に思考を変えていこう。
そんな風に考えながら取り組んでいきたいと思う。
でも「予約&診察進行状況可視化アプリ」的なやつ誰か作って欲しい。。。

夫

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はじめまして。
日本の病院は、名医だろうと新人だろうと医師免許持ってたら、同じ値段だから、名医に集中しちゃいますね。
待ち時間を少なくするには、医者の出番を少なくすることが重要かな。採血だけなら名医は必要ないわけで、採血専門病院とかがあって結果だけを病院に送ることができれば速くすむのになって思います。どんなことも同じことしかしないなら速く出来ますから。
不妊専門病院は待ち時間長そうなのもあって、とりあえず不妊相談もやっている婦人科に行っているので、興味深く読みました。
あまさきさん
コメントありがとうございます。
仰る通り、同じ免許を持っているといえど、やはい良いもの(名医)に集中するという市場原理が働くのですね。納得です。
確かに、ドクターでなければならない仕事と、必ずしもドクターが行わなくてもいい仕事があるのかもしれませんね。
役割分担、分業と、効率を追求することが患者の利益に叶うという側面もあるのかもしれません。
要は分業によって効率化を図るという視点と、ドクターを増やして結果効率化に繋がるという視点は重要だと思います。
やはり国として「ドクターの拡充」「不妊治療ドクターを目指したい」という「流れ」「環境」の整備が急務だと。
ちょっと散らばりましたが、そのように感じています。
非常に示唆に富んだコメントを有難うございました。