みなさん、目の前で突然人が倒れたらどうしますか?
最近、土俵上で倒れた市長を女性が救助したことが話題になりましたが、先日まさにそんな状況に自分も遭遇したのでその時の対応や困ったことなどを書いてみたいと思います。
結果的には倒れた方は軽症ですみ、命に別状なく無事でした。
なかなか遭遇する機会はないと思いますが、もしもの時の参考にしてください。
この記事は以下のことについて書いています。
- 目の前で人が倒れた時の対応方法
- てんかんの方への対応方法
- 住所がわからない時の対処方法
- 万一の時に役立つアプリの紹介
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目次
突然目の前で人が倒れた!

気持ちの良い小春日和。時刻は2時過ぎ。
遅い昼食をすませ、公園のベンチでコーヒーを飲んでいました。
昼下がりということもあり、
- 犬と戯れるマダム
- スマホに夢中なヤングレイデー
- あぐらをかいて読書に耽る青年
- コーヒーを飲む中年(自分)
と、公園には4人しかいませんでした。
超小さい公園です。
満腹感と、心地よくそよぐ風に誘われるかのように押し寄せてくる眠気をコーヒーで押し返しながら一息ついていると、突然隣から
ううぅ
ドサッ
という唸り声と鈍い音が。。。
驚いて振り向くと、先ほどまでベンチの上であぐらをかいて読書にふけっていた青年がベンチから転げ落ちていました。
寝落ちでもしたのかな、と一瞬思いましたが、ちょっと様子がおかしい。
転げ落ちた青年は、お尻を天に突き出す形で地面に突っ伏していたかと思うと、ゆっくりと硬直しながら体を伸ばし、大きく痙攣し始めました。
その様子をみて「これはただごとではない」と本能的に悟り周りを見渡すと、マダムとヤングレイデーも自分と同じようにただならぬ状況だと感じている様子。
状況を飲み込めない若い女性はその場を離れようとし、マダムは犬を抱え呆然と立ち尽くしていました。
そして2人の視線は自然と自分の方へ。
「おたくなんとかしてよ」
そんな声が聞こえてくるようでした。
やべぇ、どうしよう!?
想定外の状況に遭遇するも意外に冷静だった
一瞬状況が飲み込めず混乱しましたが、もうやるしかないと腹を決め、深呼吸をして気持ちを落ち着かせて青年のもとに駆け寄りました。
こういう場合は、なにはともあれ落ち着いて対応しないといけません。仕事での緊急時の対応と同じだと思いこみ、もう頭をフル回転。
まず、やるべきことは青年の状況を正確に把握することだと考え、
- 息はあるか
- 意識はあるか
- 体勢はどうなっているか
- 怪我してないか
- 顔色はどうか
と、素人なりに思いつく確認すべきであろう項目を必死に思い浮かべて急いで確認していきました。
彼の状況は、
体勢はうつ伏せ。
↓
口から泡吹いてる
↓
顔色わるい、白い。
↓
息はありそう。
↓
脈もありそう。
↓
額から出血してるが傷は浅そう。
↓
大きく痙攣している。
という状況でした。
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やったこと(対応)
状況を確認したら、とりあえずこのままではあかんやろと思うポイントを、実際に手を動かして是正していきました。
とりあえず横にいたヤングレイデーに「救急車呼んで」と要請。
とりあえず横にいたマダムに「水買ってきてください」と要請。
↓
うつ伏せなので力技で仰向けにひっくり返す。
↓
なんとなく気道を確保した方がいいことは知っていたので、顎をあげてそれっぽい感じに。
↓
ただ泡を吹いてるので、顎を上げると大量の泡が気道の方へ逆流してしまい軽くパニクる。
「気道確保したら泡が逆流するし、かといって気道を確保しないとヤバイよな。あ〜〜どうしよう。。」
と数秒逡巡したあと、「体横向きにすりゃいいじゃん」と単純な発想から、力技でとりあえずブリンッと体を転がして顎を上げたまま横向きにしバランスをとることに。この時はこれしか思いつきませんでした。
↓
額の出血は、たまたま足元に落ちていた青年のものであろうポケットティッシュで拭いて、口元の泡も拭き取る。ただ拭いても拭いても溢れ出てくる・・
↓
痙攣が大きかったので、さらに頭を打ってはいかんと、青年の薄いカバンを頭の下に敷いてとりあえず防護。
↓
苦しそうなので、シャツのボタンを外しベルトも緩める。
↓
あとは声がけ。完全に意識を失っていたので、マイルドボイスで話しかけるも全く反応なし。
↓
これ以上は何をしていいかわからないので、声がけを継続しながら、背中をさすって救急車を待つことにしました。
対処を始めてここまで1分くらいでしたが、感覚的にはもう10分以上経ってる気分で、
「救急車くんのおせーな」
と若干イラついていました。
すると、スマホを耳に当てながらヤングレイデーがこちらに駆け寄ってくるではないですか。
おっ来たか?と思いましたが、
「ここの正確な住所ってわかりますか?」
と逆に質問をうける。
えっ、住所?
〇〇町くらいまでしかわからん。
ココ何番地だっけ?
しらん。
といきなり住所を聞かれてもわからず、とりあえずグーグルマップで確認するもやはり焦っていたのか、番地までたどり着くことができず。
どうしよう。
これには、全員が数秒フリーズ。
まじで、どうしよう。。。
住所を知るには自販機を探せ!
皆でテンパっていると、電話口の隊員から
「公衆電話とか自動販売機とか近くにないですか?」
との問いかけが。
えっ自販機?
とりあえずよくわからんけど周りを見渡すと、、、
あった!!
なんでも自販機には住所が書かれているらしく、それを伝えて欲しいとのこと。
自販機にダッシュで駆け寄り確認すると、
おお〜住所書かれてるやん!
自販機のおかげで無事正確な住所を伝えることができました。自販機にそんな使い方があったのね。自販機サンキュー!
この頃には青年は痙攣も収まり、ぐったりと寝たように気を失っていました。
今か今かと救急隊員を待っていると、なんと青年が意識を取り戻しました。
すぐに、
「大丈夫?名前は?」
と声がけしてみましたが、意識が朦朧としているらしく返答はなし。
何度か声をかけるもスルーされたのでそっとしていると、
「なんかあったんですか?」
と彼の方から聞いてきました。
おおぉ、青年よ無事か。
よかった〜。。
とりあえず、一連の出来事を伝えましたがまったく覚えていない様子。
だよなだよな、記憶なんて無いよな。
うんうん今はとりあえず休んどけ。
水を飲ませたあと、ベンチにもたれさせリラックスさせていると、遠くからサイレンが近づいてきました。
この音を聞いてこんなに安堵したことはありません。
すぐに立ち上がり、大通りにでて現場である路地裏の公園まで救急車を誘導。オーライ!
なんとか無事隊員の方々にバトンタッチすることができました。
青年が無事でほんとうによかった。
青年は「てんかん」だった
なんとなくそうだろうなとは思っていたが、隊員曰く青年は「てんかん」患者とのこと。
「てんかん」とは
脳内に神経細胞の過剰発射が生じ、異常な興奮が起きることによって数秒~数分以内の発作が起きる脳の病気。100人に1人が発症するといわれ、国内に約100万人の患者がいるとされる。
薬による治療で発作が抑制できるが、薬でも発作をコントロールできないものを「難治性てんかん」と呼ぶ。
※引用元:産経WESTより
記憶が少し曖昧ですが、電話の時と到着してから聞かれたことは、
- 痙攣はどれくらいの大きさ?
- 痙攣をしていた時間は?
- 意識を失っていた時間は?
- どこを怪我していますか?
- 失禁してますか?
だったと思います。
なんでも痙攣の大きさで判断基準が違うとのこと。
最後はなんかよくわかんない書類にサインして帰されました。
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今回の対応は最善だったのか?今後のために確認してみた

その場を離れたあと、今後またああいった場面に遭遇した時のためにも適切な対処方法について調べてみました。
結論からいうと、応急処置としてはそれほど悪くない対応だったと感じました。
てんかんの発作に出会った時の対応方法
日本てんかん協会のHPを参考に以下記載します。
まずてんかんの発作を目の当たりにしたら、
- 気を落ち着かせて冷静に
- 必要以上に騒ぎ立てない
- すぐに救急車呼ぶ必要はない
とのこと。
騒ぎ立てはしませんでしたが、救急車は躊躇なくすぐに呼んでしまいました(でもあの状況であれば即呼んで正解だったと思っています)。
次に介助の手順です。
- 火、水、高い場所、機械の側などの危険な物の近くから遠ざける
- 本人がケガをしないように気を配る
- 衣服の襟元やベルトを緩めるメガネ、コンタクトレンズ、ヘアピンなどに注意する
- 痙攣中は下顎を上に押し上げ気道を確保し、窒息や舌を噛むのを防ぐ
- 痙攣終了後、大きく息を吐いたら気道を確保した状態のまま顔を横に向ける
- 唾液や嘔吐物は拭き取る
- 意識が回復するまで見守る
あながち間違っていませんね。
やってはいけないこと
逆に対応としてNGなことはなんでしょうか。
- 体をゆする
- 抱きしめる
- 叩く
- 大声をかける
- 口に物をくわえさせる
- 回復直後に水や薬を飲ませない
マイルドボイスで軽くさすった自分の対応はギリギリNGではなさそうです。
さらに意識を回復した直後の朦朧としているなかで、水や薬などを飲ませると窒息や嘔吐の原因になる可能性があるとのこと。
すぐに水とか飲ませてはいけないんですね。
気をつけます。
救急隊員になるべく正確に伝えた方が良い「観察の要点」
もしも余裕があるのであれば、救急隊員へうまくバトンタッチする意味でも以下点を観察しておくと良いみたいです。
・発作が起きた時間と状況
・誘因になるものはなかったかどうか
・意識障害の有無けんれんがあった場合
→身体のどこから始まったか
→眼球や頭はどちらにむいていたか
→四肢は突っ張り硬くなっていたか
→四肢ががくがくとなったか
→左右で差があったか・けいれんがない場合
→いつ
→誰が
→なぜ、異変に気づいたか
→行動の異常はあったか・発作の継続時間
・身体の変化
→顔色
→唇の色
→唾液がでていたか・発作後の様子
→眠ったか
→手足に麻痺があったか
→ぼんやりして歩き回ったかなど・怪我の有無
実際にはテンパるので、そんな余裕はないとは思いますが、なるべくその時の様子を意識して観察〜記憶することが大事ですね。
今回学んだことまとめ
今回の現場で学んだことは、
自販機で住所がわかる
ということです。
ちなみにネットで調べると、救急車を呼ぶ時はスマホの「GPS」をONにしておいた方がいいみたいです。通報を受けた本部が逆探知してくれるみたいなので。
もちろん、それ以外にもこの体験をきっかけとして、こういった場合の対処法を調べて「インプット」したことだと思います。
二度とこういう体験はしたくないですが、こういうことも起こりうると想定し、たまに頭の中でシミュレーションをしておくことが大事だと強く感じました。
「もしも」はいつ来るかわかりませんからね。
万が一のために最低限の知識というか、対処の一連の流れを把握しておき定期的にイメージしようと思います。
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おまけ:「Coaido119」なる119番通報アプリがあった!
今回自分の住所がわからなかったので困りましたので、ネットでアプリがないか探したら優れものを発見!
その名も
「Coaido119」

こえいどぉ?
と読むのかわかりませんが、なかなか使えそうなアプリです。
周りに助けを呼びかけることが可能というなんとも心強いサービス。

トップ画面はこんな感じで、たとえば一番上の「周囲にSOSを発信します」というボタンをタップすると、

自分の位置が表示され、カメラが起動して現場の状況を直接伝えることができます。

また、「大けが/急病/大出血」や「火災/災害/危険物」をタップすると、

119番へ発信することが可能です。

119番するほどではない緊急性の低い場合には「軽いけが/症状/相談」をタップすれば、119番はもちろん、最寄りの相談ダイヤルを複数提示してくれるという優れもの。

今後このアプリを使うことがないことを祈るばかりですが、万が一の時に備えて妻や義母などにもとりあえずインストールさせました。
無料ですし、万一の時に入れておくと良いアプリだと思います。

夫

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