高度不妊治療中または、高度不妊治療を検討中の方を対象とした「ぽころぐカフェ@中目黒」を初開催しました。
当初厳しい意見なども頂き、はたしてお越しいただける方がいるのだろうか?と不安もあったのですが、最終的に満員御礼となりました。
この場を借りて、
ご参加いただいた皆さま、貴重な時間を割いてお越し頂きまして誠に、誠にありがとうございましたm(_ _)m
今、涙で前が見えないのでフォントがデカすぎたらすみません。 感謝の気持ちが前に出過ぎていますが、落ち着いてカフェのレポートと、最後に自分の思いの丈を綴らせて頂きます。
たまには熱い思いを語りたいと思います。
少々長いですが、最後までお付き合い下さい。
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目次
「ぽころぐカフェ」を開催した理由
今回なぜぽころぐカフェを開催したのか。この点について私たちの本心を書きたいと思います。
このイベントの告知を見た方の中には
「参加したら”壺”とか売られるんじゃない」
なんて思われた方もいるかもしれませんね(笑)
素性不明の怪しい夫婦が開くカフェに参加頂いた皆様には本当に感謝しかありません。
さて、私たちが今回このイベントを開催したのは以下理由からです。
- 治療中、自分達がこういった会を欲していた
- 現在こういった会があまりないように感じる
- 情報交換や気持ちの共有の場を提供したい
- 現状の課題をしっかりと把握したい
一番は現在治療中の方々に情報交換や気持ちの共有の場を提供したいという思いから開催したのですが、さらにありていに言えば、治療中の方のお声から不妊治療の課題をもっと浮き彫りにしたいという思いもありました。
皆さまとの対話を通じて、
- 本当に困っていること
- 真に求める仕組みやサービス
といったことを感じ取れればと考えていたんです。
根底には強烈な原体験がある
高度不妊治療を始めた時、まず感じたことが
- 情報が散らばっている
- どの情報を信じればいいかわからない
ということでした。
情報は十分にあるのに、
- どの切り口から追っていけばいい?
- 刺激?自然?どっちも正しそうだけど・・
- 効率を重視すべき?でも妻の体は大丈夫?
つまり、
自分たちはどの治療やルートを選ぶべき?どれが適している?
と路頭に迷ってしまったんですよね。(富士山の頂上を目指すには、今の装備や時間を考えればどのルートを登るべき?みたいな)
クリニックや学会からの情報は「正しい」のは当たり前。
でも自分たちが知りたかったのは「正しい」という前提に立った上での、「自分たちに適しているか」「納得できるか」という点でした。
情報は大量にあるけれど、どれが自分たちに適切な情報で、どれを選び取ればいいかという「選球眼」が私たちにはなかったんです。
だからこそブログなどで体験談を読み漁り、自分たちと似た方(特に卒業された方)の治療方法を探し、納得した上で自分たちの決断を信じて進んできました。
そんな風に調べる中、ネット上の情報とあわせてさらに「リアルな生の声による会話」のキャッチボールをしてみたいと感じることが多くなっていったんですよね。
その根底には、自分が不妊治療を始め妻とともに初めてクリニックを訪れた時の強烈な体験がありました。
同じ思いの方々が集まるクリニックなのに隣の人とも話すことができない・・
あの状況を目の当たりにした時、率直に本当にもどかしいと思いました。男性目線なのかもしれませんが、まじでそう思いました。
だってこんな風に強く同じ思いを描く方々しかいないクリニックって他にあります?
仮に男性限定クリニックの待合だったら、自分は隣の男性に声をかけていたと思うんです。
とは言いつつ、そんなことができるような生易しい治療や心理状態ではないことは、通院を始めてすぐにわかりました。
みんな同じ不妊治療という中でも様々なステージがある。
いろんな思いや感情を抱えている。
頭で理解することと、心で納得することのギャップはそんな簡単なものではないんだ、と。

だけど、心の片隅では
「なぜこんな近くに同じ思いの人がいるのに、こんなに遠いんだろう」
という強烈な思いがどんどん大きくなっていきました。
妻も治療中、たびたび
「オフ会参加してみたいな。。でも勇気が出ない(><)」
と嘆いていたことも大きかったですね。
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じゃあ自分が開催すればいい
そんな風に感じていた経験が、今回開催した理由の1つです。
こういった会や交流の場が無いなら自分で作ればいい。
賛否あるかもしれない。
でも自分や妻は本当に欲していた。
極論、すべての人に受け入れられる必要はない、こういった会を欲している方が来さえすればいい、と。
だから今回開催したんです。
もし仮にこの会に人が集まらなかったら、こういった会を求めているのは自分たち二人だけだったんだと納得できます。
要は自分たちが思ったことを実際に行動に移し、その結果を知りたかった。机上でただ悶々と想像するのではなく、実際に手を動かして検証したかったんです。
結果としては満員御礼だった
ここで言いたいことは
「ほら、やっぱりオフ会の要望あったじゃん」
と言いたいのではありません。
事実、当日まで定員に達していませんでした。
結果的には直前に来ていただける方もいらっしゃり満員御礼となったわけです。
そしてさらに正直に言うと、もっと早く予約で埋まるのではないか?と当初考えていました。
だから今回はもしかしたら奇跡的なことだったのかもしれませんし、やはり多くの方はこういった会には消極的なのかなとも感じています。
「こういった会によって当事者同志が仲良くなることで、もしかすると結果的には傷ついてしまう局面が訪れることもあるのではないか?」
といったDMやコメントでの複数頂いたアドバイスは的を得ているとも理解していますし、大多数の意見だと思います。
とは言え、(今回お越し頂いた方々への事後アンケートを集計中なのですが)おそらくこういった会が開かれない理由の一つには、
企画する(発起人になる)煩わしさ
一般的ではないから参加する心理的ハードルが高い
という一因もあるのかな、とも同時に感じています。
誰かが企画し、行きやすい場作りができればまた違うのかなと。
どちらが良いとか悪いとかではなく、そもそも選択権のある参加者が選べる「場」をつくることには一定の意義はあるんじゃないかな。
その正否を論じるのではなく、一つの選択肢として提示していくことは決して悪いことではないのではないかと思っています。
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ぽころぐカフェの様子や頂いたご意見
今回、旦那さん2名を含む14名の方にご参加頂きました。
今回カフェを開くにあたって、
- 個人情報の開示範囲は各人にお任せ
- 主役は参加者の皆さま(我々はあくまで裏方)
と決めてのぞみました。
お越しになられた方は、お好きな名前(例:動物の名前など)をシールに記入いただき胸に貼付の上、簡単な自己紹介をして会がスタートしました。
自己紹介の際も必ず出すべき情報等はあえて設定せず、各人にお任せしました。
ただ望む情報の効率的な取得という観点から積極的に情報を出した方が「共通項」を見出しやすいかもしれません、とは促しました。
結果的に皆さん思っていたよりも赤裸々に自己紹介をされていて、この会への期待度の高さを伺うことができました。
そして、ケーキタイムや席替えタイムを除いて、私たちが介入することは極力控えました。
主催者があまり音頭をとらないのは無責任かなとも危惧しましたが、みなさん活発にお話されていて、とても有意義な時間であったよう見受けられましたね。


また、少しでもコミュニケーションが円滑に進むよう、事前に話題に挙げたいことをアンケートさせて頂き、それらをカードにして各テーブルに置いたりもしました。
ちなみにカードはこんな感じ。

結果的にはこの話題カードを使わずとも、お話が盛んに行われているように感じました。
後半は男女分かれてお話させて頂きました。

自分含め男性陣は3名。とても濃い〜〜話ができました。
男性陣で長時間話した結果、不妊治療を開始する時の男性の受け止め方や思考回路、アクションの起こし方はわりと似通っているんじゃないかな?と感じました。
そして治療をする中で男性は男性なりの思いや、辛さもあるのだなと改めて感じましたね。
もちろん反省点もありました
今回初めて開催した中で反省点もありました。
情報(属性)をもっと明示したら良かったかも
今回、個人情報を極力出さないように配慮したのですが、もしかすると名前(ニックネーム)の他に
- 通院中のクリニック名
- 現状:高度不妊治療中 or 検討中
- 年齢
がもっと視覚的にわかるようにした方が良かったなと反省。
みなさん積極的にこの点の情報は出していたので、最初から名札シール等にわかるように記しておけばより効率的な会になったのかなと。
あと本当に後悔しているのですが、今回「差し入れ」を数名の方に頂いたのですが、受付が混雑してしまい一部どなたが差し入れてくれたのかをしっかり把握しきれなかったこと。
本当にお恥ずかしく、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
この場を借りて差し入れをしてくださった方にお詫びとお礼を申し上げます。
本当に申し訳ございません。。
そして本当に有難うございます!
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今後もこういった会を催していきます
今回の会の中で
- 夫限定の会
- 夫婦での会
- 40歳以上の方限定の会
- 男性だけの会
をして欲しいというご要望をいただきました。こういったお声を頂けるのは本当にありがたいことです。
ですので、実現に向けじょじょに計画していきます。
もちろん今回のような形態でやれるかはわかりませんし、賛否もあると思いますが、できる限りみなさんが集まれるような場を作れればいいなと思っています。
→治療中の男性だけのオフ会も開催
私たちの思い
冒頭で、この会を催した理由の最後に「課題をより浮き彫りにしたい」と書きました。
私たちは妊活の中でも、とりわけ医療行為である「不妊治療」で悩む方々の現状を少しでも軽減したいと考えています。
不妊治療の現状を少しでも良くすべく何らかのサービスを提供したいと考える中、たくさんの声を、本当に悩んでいる方の気持ちを聞きたいと考えています。
そしてそれは、お金を払って形式的に対面で声を聞くのではなく、同じ思いで集まった方同士が和気藹々とリラックスし、本音で語り合う交流の中から滲み出る純粋な悩みを傍で拾い上げたいと考えています。
そして、おこがましいかもしれませんが、本当に救いたいのは、
たった一人、クリニックの待合でこれからの未来に不安を感じ、恐怖で押しつぶされそうで、もがき苦しむあの時の妻を救いたい。
大多数ではなく、あの待合で同じように苦しみ悩み、孤独と闘うたった一人を救いたい。
あの強烈な思いこそが、この課題に取り組もうと思った原点ですし、これは今も1ミリたりともブレていません。
不特定多数の方の
「あったら良いよね」
という表層的な求めにではなく、あの待合で本当に必要としているあなたに真に必要なサービスを届けたい。
「これが欲しかった」
「本当に助かった」
そういったサービスを実現させていきたい。
もちろんとても難しいことだと思います。
でも、できるかどうかではなく、やる。決める。
まずはそう自分たちの中で決意することが絶対に必要だと。
失敗してもいい。
一番の失敗とはそこに挑まないことだと思っています。
そのためにもっともっと真に悩まれている方々のお声を聞くべきであるし、今あの待合で悩み苦しんでいる誰かに憑依するほどに、四六時中求めているものを考え続けています。
今はその声を聞き、徹底的に血肉にすることに時間を割こうと決めているんです。
「なぜこんなことやるんだろう?」
「目的は何?」
なんて思われる方も多くいらっしゃると思いますし、ブログの延長のPV稼ぎのお遊びじゃないのなんて思われる方もいるかもしれません。
こういった意図やアクションを「ビジネス的」だなと、嫌悪感を持たれる方も少なからずいると思います。
なぜやるのか?
なぜ自分たちがやるのか?
なぜ今やる必要があるのか?
その原動力は、治療中に痛感した辛い原体験があるから。
理想論だと笑われるかもしれませんが、私たちはいたって真面目です。
「不妊治療を身近な選択肢に」
というビジョンを掲げ、不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題を軽減・解決し、そのギャップを埋めていきたい。
そのために、
自分たちが真にすべきことは何か?
を誤解を恐れず、
徹底的に考え、
手を動かして追い求め、
それを具現化すべく愚直に実行します。
いつでもご意見お待ちしております。
ということで改めて、今回ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

夫

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夜中に拝読させて頂きながら泣きました。なんだかもう胸がいっぱいで・・・わたしは普段から土曜日勤務なもので、今回のカフェの参加を断念しましたが、都合が合えば参加したかったです。ちょこっと勇気を振り絞って。例え壺を買わされたとしても笑
こういうオフ会的な取り組みをされるのにあたり、もちろん賛否両論あると思います。不妊治療はタダでさえナーバスな領域ですし、その方一人一人の状況も十人十色すぎて、気軽に話をしにくいですよね。現在AIHまでしか治療していないわたしが、高度治療を受けようとか、受けている方々の参考にはなれないし、だからなんとなく予想できるアゥェイ感というか、そういう意味で勇気を振り絞らないとわたしの場合は参加出来ないと思うのですが、なによりもぽこさんご夫婦の人間性にとても魅了されておりまして、お会いしてみたいなぁというファン心理みたいな感じでした。
旦那様の、同じ気持ちの方を楽にしてあげたい。奥様の支えになりたいって気持ち、今回のブログに限らずとても伝わります。ほんとうに素敵なことだと思います。そして今後そういった思いがどんどん世に広がっていくよう願います。いつかお二人にお会い出来るといいなぁ。
普段ブログを読み逃げさせて頂いていてすいません。今後も陰ながら応援andブログ更新楽しみにしております。支離滅裂なコメント失礼いたしました。
おかさん
改めて、励みになるコメントありがとうございます。おかさんの気持ちが伝わってきて、夫婦共々暖かい気持ちに包まれております。
ほんと、同じ不妊治療といえど状況はそれぞれですよね・・「子を授かりたい」という純粋な気持ちは同じなのに、どうしても精神的・肉体的・金銭的負担にも開きがあるのがこの医療ですね。今後もこのような会を持ちたいと思っているのですが、その時々でこういった会を求めている方に利用して頂ければいいのかな?と現段階では感じています。
AIHで結果がなかなか出ない時も、めちゃめちゃ不安ですよね。私自身そうでした。本当に高度にいくの?そんな風に思っている時が一番不安や葛藤があったかもしれません。ネットだと情報が多すぎて把握しきれないですし。。今後、もう少し現状別にわけた会を開いてもいいのかな?と今回感じました。
おかさんは同い年ですし、なによりおかさんもツイッターから人柄が伝わってきますしヽ(*^^*)ノ
いつか是非お目にかかれますように!!
記事、読ませていただきました。
お二人の熱意が伝わってきました。
自分は今まで不妊といったカテゴリーの問題には、ほぼ全く触れずに生きてきた人間だったので
こうした実体験に基づくお話は非常に興味深いものでした。
ぽころぐカフェ(オフ会)の件については、そこに至るまでの行動力が素晴らしいと感じました。
オフ会といってもただのオフ会ではないということは、記事の中でも伝わりましたし、そういったデリケートな問題に関する、集まりを企画したことによって、心無い批判を浴びせられることもあったと思います。
それらを乗り越えて、実際に企画を実行したということに感銘を受けました。
shさん
とても嬉しいコメントありがとうございます!
企画した時はメールでいろんな意見をもらい実は途中ものすごく迷いました(いろんな葛藤がありました)
しかし、「賛」の意見も多くあったこと、参加してくれる方がいたこと、で実行に移しました。オフ会中みなさん笑顔で盛り上がっていたことが自分たちの中で全てでしたね。
実は今年の年初から場所を確保し定期開催できる手はずを昨年末に整えていたのですが、ちょっとダメになってしまいまして(ギリギリでひっくり返されるという 泣)。。。以降、企画〜実行ができていませんが、日々試行錯誤しながら自分たちができることをこれからも続けていきます。