サイバーエージェントのmacalonは妊活者目線に立った良い制度。こんな取組がもっと広がれば良い

macalon
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先日、東京都主催の「不妊治療と仕事の両立推進シンポジウム」に参加してきました。

イベントの前半はNPO法人Fine 松本亜樹子理事長による基調講演「防げ!突然の不妊退職。企業が知っておきたいこと」

後半は不妊治療休暇などを社内に制度として整備し、このチャイルドサポートプラン事業を活用している企業によるパネルディスカッションという構成でした。

 

参加して個人的に特に印象に残ったのは

 

  • サイバーエージェントの取組み事例
  • 日経の治療と仕事の両立への興味深い洞察

 

の2点でした。

本記事では、サイバーエジェントの取り組みについて感想を交えて紹介したいと思います。

日経の方はこちらで詳しく書いています。

 

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サイバーエージェントの「macalonパッケージ」という女性活躍促進制度が秀逸!

サイバーエージェントは、アメブロやAbemaTVを運営する言わずと知れたIT界の雄。賢い読者の皆様に特段説明は不要ですね。

同社は2014年に、女性が出産・育児を経ても働き続けられる職場環境の向上を目指して8つの制度をパッケージ化した独自制度「macalonパッケージ」をリリースしています。

この「macalon」の由来は、

「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」

というもの。

設立から20年が経過し、社員の平均年齢は20代から30代に上がり、結婚や子供を持つ社員も増えたことから、このような制度を作るに至ったそうです。

なお、macalonを構成する8つの制度は以下の通りとなっています(各制度の詳細はこちらで確認ください)

 

  1. エフ休
  2. 妊活休暇
  3. 妊活コンシェル
  4. キッズ在宅
  5. キッズデイ休暇
  6. 認可外保育園補助
  7. おちか区
  8. ランチママ報

 

特に不妊治療に関するのは上から3つ、色字部分が該当します。

まず個人的に感心したのが制度の中身以前に同社の企業風土。特に人事部は、

 

  • 一人の意見をちゃんと聞きなさい
  • コミュニケーションを取りなさい

 

と少数意見に耳を傾け、課題を汲み取ろうとする風土が強く根付いているようです。

そんな風に耳を傾ける一方、少数意見の解決のために安易に制度を設けたりはせず、深いコミュニケーションを通して個別対応で解決を試みてきたとのこと。

これは「制度よりカルチャー」という理念に基づくもので、カルチャーや風土が育っていない中で制度を作っても「形骸化」し「使えないもの」になるだけという考えによるものだそうです。

長年こういった個別の深いコミュニケーションを継続してきたことでじっくりとカルチャーが育ち、2014年に満を持してリリースしたmacalonは「使える」制度として今も活発に利用されているとのことでした。

この考えや経緯を聞いて、ただポーズ的に使えない制度を拙速に設けがちな会社が多い中、「使える制度」をちゃんと作ろうとする同社は、社員を大事にする良い会社だなぁと感じましたね。

「つくる」ことが目的ではなく、手段として「ちゃんと動く」ものを作るという視点が大事で、そしてそれがフィットするには、社内カルチャーの醸成が必要不可欠であるということを示す好例だと思います。

 

制度設計にあたっての3つのポイント

また、この制度を作るにあたっては以下3点を特に念頭に置いたそうです。

 

  • 「挑戦」と「安心」はセット
  • 「しらけ」のイメトレ
  • ネーミング

 

先ほどの「制度よりもカルチャー」もそうですが、この3点もとても良い視点だなと思いました。

「挑戦」と「安心」のセットとは、制度を作ることでもたらされた「安心」に安住せず、その安心をさらなる「挑戦」や自己の「成長」に繋げてほしいという思いが込められています。

そうすることで、経営側と社員側双方がWin-Winの関係になれるということでしょう。

 

次に「しらけ」のイメトレですが、Aという意見の裏側には必ずA’の意見があるもの。つまり、反対の声や立場をしっかりと想像(=イメトレ)しなさいということ。

全ての人の要望を満たす最適解はないけれど、だからと言って諦めずに「反対の方はどう感じるだろうか」と常に想定して、よりベターな設計をしていくことが大事ということですね。

 

ネーミングは覚えやすく、社員が人に自慢したくなるようなものであることで「流行る」とのこと。名付け親であるパネラーの社員は、当時はコピーライターかというくらい常に考え続けていたとしみじみ回想していました。

 

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「妊活休暇」単体ではなくパッケージ化した狙い

当初、「妊活休暇」を作ろうという話から始ったそう。しかし、最終的にいくつかの制度を組み合わせたパッケージとしてリリースすることになりました。

パッケージ化した理由は、なかなかオープンにしづらいセンシティブな悩みである妊活にフォーカスした「妊活休暇」を単体でリリースしても、あまり流行らないと考えたからだそうです。

想像してください。もしあなたが妊活休暇を取得しようとすれば、上司や人事、もしかすると申請経路によっては同僚にまで知られてしまう恐れがあります。またそもそもその休暇を必要としない子供を望まない方からすれば、不要な疎外感を与えてしまうことにもなりかねません。

つまり「妊活休暇」単体だと、あまり活用されない「使えない」制度になる可能性が高いと踏んだわけです。

そしてその解として「macalon」としてパッケージ化して導入しました。

これの何が良いかというと、「妊活休暇」を申請したとしても上長や同僚には「エフ休」という名目でワークフローが回り、妊活休暇かどうかはわからないようになっているのです。

「エフ休」とは

女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇。通常の有給休暇も含め、女性社員が取得する休暇の呼び方を「エフ休」とすることで、利用用途がわからないようにし、取得理由の言いづらさ、取得しづらさを排除します。(エフ=FemaleのFを指します)

これは出退勤を管理する人事部でも、ごく限られた担当女性にしか知り得ない仕組みとなっていて、徹底した情報管理がなされています。

こういう仕組みだからこそ、社員も安心して申請ができるのだそう(以下のように図解して説明されてました)

macalonパッケージ

いやこれは良いですね。

多くの企業は「妊活」の休暇とわかる名前をつけがちな中、当事者目線をおろそかにせず、しっかりと配慮が組み込まれた作りになっていることが伺えます。

もちろん取得上限など細かい点を挙げればまだまだ改善の余地はあるとは思いますが。

 

まとめ

昨年もこのシンポジウムに参加し制度の導入をしている大企業の事例について話を聞きましたが、正直対外的なアピール色が強いというか、一応置いています的な雰囲気を感じていたんですよね。

当事者目線でみれば、実際には使いづらいものではないかと、あくまで直感ですがそう感じていましたし、あながち間違ってもいないという感覚でいました。

ですので今回も同じような事例なのかなと思いましたが、サイバーエジェントの担当者の話を聞く限り、当事者に寄り添ったかなり進んだ制度だと思いました。

前回やその他のいわゆる日本的な大企業とは違う、柔軟さというかなんか実体を伴うものを垣間見れたという感じですかね(表現下手すぎかよ)。

やっぱり人材を財として大切にしようという思いが強いからなのかなと、そんな風に感じました。

そしてなんならIT企業の強みを生かし、macalonパッケージを人事発のサービスとして切り出して展開するという事業もありなんじゃないかと思ったくらいです。

ということで、わかりやすく腑に落ちる同社の社内制度が興味深かったので紹介しました。

こんな取り組みが広がるといいですよね。

 

続きの日経の話はこちら↓

鍵

不妊治療支援制度導入は今後経営上理に適った戦略となる。人材枯渇時代においてエンゲージメント向上は重要なKEY

2019年7月2日
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夫

約4年半にわたる不妊治療の記録を綴っています。体験したからこそ感じた不妊治療を取り巻く「内」と「外」の課題。顕在化しづらいこの課題の軽減・解決、そのギャップを埋めるべく夫婦で取り組んでいます。「不妊治療を身近な選択肢に」が当たり前の世界にしていきます。
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